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#41 積極的
「あぁ……ダメだ……」
笑い声が聞こえてくる──
(気になって、仕事が手につかないじゃないか……)
お客が少ないこの店では、ひそひそ声でも充分届くのである。
(別に聞き耳立ててる訳じゃないけど……これじゃあ……)
「相変わらず、艾は小っちゃくてかわいいな」
「や……やめてよ! 今はお仕事中だよ?」
「じゃあ、仕事終わったらいいのか?」
(……爻さん。助けて)
困った艾は心の中で、爻へと助けを求めた……すると。
「ハル君、ちょっと艾さん借りるよ」
爻は自分でも驚くくらい積極的になっていた。
艾の手を取ると、ハルから少し距離を取る。
(爻さん……)
(まったく……俺は何をやってるんだ?)




