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#31 言い訳
「……あ、あのぉ」
(万理姉の声じゃない……)
「すみません! 失礼しました。えっと……」
「私です。艾です。急にお電話してしまい、こちらこそすみません」
(艾さん?! あれ? 俺の番号何で知って……)
その時、受話口の向こうが、何やら慌ただしく感じられた。
「爻! ちょっと! 大丈夫なの? 電話は途中で切れるし、その後の電話には出ないし、何かあったんじゃないかと思って心配したわよ!」
「ご、ごめん。疲れてたのかな? 寝落ちしちゃったみたいで……」
「寝落ちって……まぁ、倒れたとかじゃなくて安心したわ。で? 来るんでしょ?」
「……はい? 来るって……どこへ?」
「やだなぁ。爻の職場よ」
「……ん?! そういえば何で、万理姉と艾さんが一緒にいるんだよ?」
「わたしと艾ちゃん、近くのカフェにいるから、爻も早く来なさいよ? じゃあね──」
(会話が成立していない……)




