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#2 開店

 店内に流れ始めた、開店を知らせるBGM。



「あ、あの……お店開けるので、その……」


「あっ……そうかっ、タオル」



 適当に濡れた頭を拭くと、男はタオルを丁寧に畳み直し、女性へと返した。



(時間も無いし、どうせ洗わなきゃいけないのに、何をしているんだ、俺は……)


「……ありがとうございます。えっと……よかったら、みっ……見ていってください」



 恥ずかしそうに一礼すると、女性は店内に駆け戻り、ボタン1つでシャッターを上げる。


こうして、小さな書店の1日の幕が、静かに上がるのであった。



「本か……」

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