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#8 負傷

 倒れたよもぎの周りには、たくさんの本が散乱していた。



「何があったんです? 頭を打ったりしていませんか?」



 首を横に降り、大丈夫だと意思表示するよもぎだったが……。



ポタッ……ポタッ……。



 コウの腕を伝い、鮮血が床に滴る。



コウさん! ケガをっ……!」



 コウは自分の傷口には一瞥もくれず、汚さないようによもぎを抱き起こした。



よもぎさんこそ、どこか痛いところはありませんか?」


「私なんかより……コウさん……が……」



 血を見たショックから、よもぎは意識を失ってしまった。



よもぎさん? ……よもぎさん!」



 ガラスの割れた店をこのままにして、病院へ連れていくことも出来ないため、コウはやむを得ず、救急車を呼ぶことにした。



「……はい……救急です」


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