第3話『自分に出来る事』
みなさんどうお過ごしですか?
次話投稿になります!
前から言っていた設定画面のほうも作成中でございます!
土日くらいには投稿できるかもです!
それではお待たせいたしました!
楽しんでいってください!
艶やかな声で僕を迎える女性。おそらくこの人が
煌聖学院の長だろう。その知的なメガネが印象強い。
「私は、ここ煌聖学院の学院長。『リレイ=フォン・テレスリスト』だ。
よろしく頼むよ、雨宮 凛人君。」
本当に綺麗な人だと思う。この外見からすると、歳は25~28くらいだろう。
だとしたら、とても若い学院長だnーーーー
「おっと。駄目じゃないか凛人君。初対面の女性の歳を探ろうなんて。
そんなのでは世の女性に嫌われてしまうぞ? まぁ私は気に留めないがね。」
リレイは驚く事を口にした。
凛人が頭の中に考えていた事を見事に当てて見せたのだ。
ーー確認しておくが、凛人は決して今の話を口にしていない。
動揺を隠し切れない。
「ぇ・・・・・・どうして、分かったんですか? 僕、今口に出てましたかね・・・?」
「いいや、君は口になど出していないよ。私の"勘„だよ、勘。当たったかね?」
からかうように笑いかけるリレイは、満足気に話を続ける。
「まぁここら辺にしておこうか。所で凛人君? 君はここへ来た理由が、何か
あるんじゃないのかい?」
リレイが凛人の目的に触れてくる。
「はい。学院長にお聞きしたい事とが沢山あります。
ここへくる途中にも、とんでもない事がありましたし・・・」
凛人は横目でシェリアの方を薄めで見る。
((ちょ、何こっち見てんのよ! 目線で訴えるのやめてよね!?))
ーー確かに沢山あったな。
「いいだろう、話を続けてくれ。
うむ・・・丁度良い機会だ。君たちも聞いていかないか?
編入生の話は面白いものかもしれないぞ?」
学院長の急な振りにも構わず、その場に居たシェリアとセシルが
冷静に答える。
「「ええ、是非」」
話は本題に入る。
「まず、学院長。なぜ僕はこの学院へ編入する事になったのですか?」
聞きたかった事を聞けたせいか、力が抜ける。
「うむ、そうだな。君を編入させたのには大きく三つの理由からなる。
まず一つ。"君に喚剣士になってもらい、学園、学院対抗の喚剣戦に出場してもらう事„
二つ目。"その喚剣戦で優勝してもらう事„
そして三つ目ーーーー
この時、学院長の様子が変わる。そして言いづらそうに、
ーーーー君の『妹』についてだ„
「!?」
凛人は自分を急かしている事に気が付きもしなかった。
「どうして! なんで学院長が・・・なんで学院長が『実冬』の事を!」
「落ち着け、凛人君。」
ーーどうしてだ。どうして学院長が実冬の事を知っている。
実冬が失踪してから、僕は、僕は何度も探した。うちは両親もどこかへ
消えて、小さい頃は親戚の家に実冬と暮らしていたから、急に消えてしまった、
大事な、実冬を、探した、探したんだ。ーーーーでも、見つからなかった。
中学までは普通に生活していた。とは言ったが、
僕はどこかで唯一の家族を失った痛み、悲しみを"日常„と言う
甘い枠にはめ込んで、大事にしていたのかも知れない。
最初から、日常なんてなかったのだ。
「まずは話を聞け、雨宮 凛人。
その妹さんの事だが、君がこれから成す結果次第では
『雨宮 実冬』を探し出し、君の元へ戻ってくるかも知れないのだ。
いいか? 君は妹を救い出す事が出来るかも知れないのだよ。
ーー雨宮 実冬は死んでいない。」
僕は今になって初めて、編入してきた事に感謝の気持ちを覚えた。
実冬が生きている。それだけでも救われた。
「まだ話は終わってはいないぞ?
『結果次第では』だ。編入の理由の一つに
学園、学院対抗の喚剣戦で優勝してもらう事とある。
そう、君には『煌王選』へ出場し、優勝してもらう。
言っておくが、煌王選には危険が伴う。その代償として、君の妹の捜索を行う。いいな?」
それで、実冬が救われるのなら。
それで本当に日常が戻ってくるのなら。
ーー答えは自ずと出てくる。
「妹を救いたい、これが僕の答えです」
「君は強いな。妹を救ってみせろ」
姿勢を正し、大きく息を吸い、広がる限りの肺を広げ答える。
「はいっ!!」
こうして雨宮 凛人は、煌聖学院の一員となり
煌王選優勝へ向かい歩みだすのであった。
「最後に、もう一つ大事な話がある」
「なんでしょうか?」
「君を煌王選に出場させるのはな、
"君の力„に関しても理由があるのだよ。率直に言おう。
君の身体には強力な存在が宿っている。『悪魔』だよ。
その悪魔の力は強大すぎて、こちら側で管理しなくてはならない品物なのだ。
他の学院や学園などから、力を目的に命を狙われる可能性が十分に
あった。君に自覚は無いだろうが、それほど危険なものなのだよ。
だから煌聖学院への編入を行った。そしてーーーー」
リレイは言った。
「君が煌王になり、戦争を止めるんだ・・・喚剣士同士の殺し合いを。
この惨劇を起こさないためにも、君には自分の力としっかり向き合ってほしい。
最近、喚剣士の力を相応しくない使い方をしている学園が問題視されていてな。
このままでは力を持たない者まで狙われる。そして屍が重なっていく。
これだけは何としても止めねばならぬ」
僕は力を持っているらしい。
しかもその力は人おも手にかけられるような、そんな力だ。
とても危険な力と言う事は分かった。
でも、自分の力の使い方くらい、自分で決める。
「大丈夫ですよ、きっと。そんな気がします」
凛人の顔はいきいきとしていた。
「事態を防ぐため、悪魔や精霊の力をフルで活用しなければならない。
その強大な力を発揮出来る様に、我々喚剣士は存在するのだ
喚剣士にとって、精霊や悪魔の存在は絶対だ。
しかしその者達も伝説に近しい存在である為、この世に現界するには
困難を極める。そんな事を可能にしたのが、この媒体である『剣』だよ。
剣に埋め込まれている『輝石』を通し、精霊を具現化する。
これにより喚剣士達は力を振るえるのさ」
ここでシェリアが言う。
「ちなみに、さっき貴方も見た『イグニスト』だけど、
あれは『精霊階級』の『聖級精霊』に属しているわ。
この事から分かると思うけれど、精霊や悪魔にはそれぞれ能力に対応した
『精霊階級』という階級があり、
<下級精霊、上位精霊、高位精霊、聖級精霊、煌級精霊>
と分けられているの。階級が高い精霊は当然強力よ。
しかし精霊がいくら強くても、持ち主が相応の容量を保持していないと
、その精霊や悪魔にのまれる危険がある為、適合試験なんてのは、とても
危険が伴うの。だから、元々持ち霊を持っているなんて、とんだ化け物みたいな
容量をもっているのよ。まったく」
シェリアが補足交じりに説明をすませ、大体の事を
理解する凛人。
「シェリアが言ってくれた事で大体の話は済ませた。
凛人君。君を呼んだのはこう言う訳だ。やってくれるな?」
分かりきった答えを要求するリレイに凛人は言う。
「当然です」
「煌王選は一年と二ヶ月後だ。早めに君を呼べて本当によかった。
早く呼んだ意味は分かるな? この期間で君には強くなってもらう。
腹をくくって、頑張りたまえ。期待しているよ」
凛人は拳に力を込めた。
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