第2話『迷子と理由と喚剣戦と』
ども!
おかげさまで2話め!
楽しんでいってください!
近々、設定画を投稿する予定です!こうご期待!
「え、ちょ、何を言ってるんだ君は! 僕には何の事だかさっぱり・・・」
「何って・・・喚剣戦よ! 喚剣戦! ほら、受けるのよね?」
シェリアの焔は徐々に強まってきており、その気迫に気圧され、凛人は思わず後ずさる。
これはヤバイ。ヤバすぎる。
「さぁ、貴方も喚剣士なんでしょ? 自分の剣を手に取りなさいよ!」
「いや、だから! 喚剣士だの何だの言われても分からないって!」
「ええぃごちゃごちゃと!もぅ!」
二人の会話は、驚くほどにも噛み合わないものだった。
それもそのはずだ。凛人はまだ目の前の情報を把握しきれていない。
「ま、さか、本当に何も知らないの!? 貴方!」
シェリアもやっと凛人の無力さに気がついた。
「だからさっきから言ってるじゃないか・・・・・・」
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「貴方、編入生なの!?」
さっきの一件を後にし、事情を話す凛人。
シェリアも通常の状態にいつのまにか戻っている。
自分は編入生で初めてここへ来た、あんな精霊らしきものも初めて見た。と言う事を話した。
シェリアは申し訳ない、と言わんばかりに手を合わせ、謝罪の言葉を口にしていた。
ここでシェリアはとんでもない事を口にする。
「でも、貴方編入生なんでしょ? 編入って、凄く稀よ! 編入の条件って確か、
『喚剣が行える適合者のみ』と言うのはもちろん、『それに応じて能力が極めて高い者のみ』『自分専用の剣、聖級精霊、聖級悪魔以上のいずれかを所持する者』
なんだけど、入学前から自分専用の剣もしくは精霊、悪魔は持たず入学するもので、学院で適合試験を受けたのち、手にする事になってるの。結論的に編入は基本ズバ抜けて強く、特殊なヤツがするものだと・・・」
とても残念そうに、
「貴方・・・何にも知らないのよね?・・・こ、これって・・・だ、大丈夫なの?
本当に編入生なの・・・?」
凛人を全力で残念そうに見つめるシェリア。凛人は己の無力さに
悲しさを抱いていた。
何も聞いてないし、何も聞かされてないし。
あ、そうだよそうだよ、この子に学院長室がどこにあるか聞こう。
うっかりしていた、全部そこできけるんだった。
ーーとは言っても、さっきの事を許してもらえるのかな。
「申し訳無いけど、編入に関しては僕もイマイチ、こう、パッとしないんだ。
だからどうも説明がつかない・・・・・・それと話変わるんだけど、『学院長室』って
どこにあるのか知ってたりしますかね?」
シェリアは頬を膨らませて、
「知ってるは知ってるけど、さっきあんな事されちゃったしなぁ・・・?
喚剣戦も中途半端だったしなぁ・・・? どーしようかなー?」
ごもっともです。何も返す言葉がない。
凛人は言葉が詰まる、が、それに見かねたのか
「あぁ、もう分かった! 分かったわよ! 連れてってあげるからそんな顔しないで!?
・・・でも、さっきの許した訳じゃないんだからねっ。」
シェリアのお慈悲でなんとか切り抜けられそうだ。
本当に、本当に本当に神様ですkーーーー
「あ、やっぱり条件♪ 貴方今の状況じゃ話にならないじゃない?
だから、3週間後に喚剣戦で勝負なさい!今回の件のつけ、という事でー♪
この条件をのめたら連れてってあげてもいいわよ♪」
これは条件をのんでも良いものか否か。
全くもって、この学院や不思議な力の事しらない凛人は
こう答えるしかなかった。
「わ、わかりました。」
「対戦承諾ね♪」
二人は3週間後の喚剣戦の約束を交わし、
シェリアに連れられ学院長室へと向かっていった。
一方セシルはーーー
「凛人さーーん?どーこですかー?どこですかー!
おかしいですね・・・私、迷子になっちゃたんですかね?
やっぱり、何度も何度も迷子になるような場所は通らない方が良いですね☆」
この人は迷子の常連らしい。
要するに、凛人が迷子になった訳ではなく、
かの生徒会長様が迷子になったのである。
生徒会長ですら迷うこの学院。恐ろしい限りだ。
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さて話を戻そう。
凛人とシェリアの二人のは、着々と学院長室へと近づいていた。
「今更だけど、君ってここの生徒でいいんだよね?」
「はぁ・・・そうに決まってるじゃない・・・もう、ここまで来ると
貴方本当に編入生なの? って思われちゃっても仕方ないわね・・・」
シェリアは不満気に答える。
凛人自身、ここまで『本当に編入生なの?』と言われると、本当に僕は編入ではないんじゃないのかなと、思ってしまいそうになる。
そんな事を思っていたら、気づけば目の前には巨大な建物が建っていた。
おそらく校舎だろう。
「さ、校舎についたわ。この中を進んで行けば学院長室よ。」
やっと学院長と顔を合わす事ができる。
シェリアと共に少し早めに、綺麗な絨毯の廊下を歩く。
入り口にはセシルがいた。
「あ、凛人様!先ほどは申し訳ございませんでした・・・よくここがお分かりで・・・
って、"リア„じゃないですか♪ 貴方がお連れして下さったのですか? ありがとうございます♪」
シェリアの事を"リア„と親しそうに呼ぶセシル。
二人は知り合いのようだ。
「会長・・・シェリアと呼んで下さいっ! もうっ」
「フフッ♪ いつも可愛いですね、リアは♪ ではーーーー」
セシルの空気が変わる。
「雨宮 凛人様。こちらへ」
大きな木製の二枚のドアをゆっくりとあけてゆく。
ギィィィ。
その年期の入ったドアは凛人を迎えるかのように音をだす。
そして、凛人は知る。
この学院の事。あのシェリアが使ったような力の正体を。
「ーーようこそ煌聖学院へ。雨宮 凛人君」
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