第15話『学院選抜』
次話投稿になります!
頑張って投稿しますから、見捨てないでェェェェェェェェエェエ!!
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ここの学院へ来て何日が過ぎたであろう。
すっかりここにも慣れ、楽しい生活を送れている。
僕、雨宮凛人は幸せだーーーー
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「凛人! ちょっと付き合いなさいよっ」
赤髪の可憐な少女、シェリア=フレニス・ローズが言う。
「付き合うって?」
「練習よ、練習!」
楽しい時間も無限では無い。
有限だからこそ、そこに輝きが生まれる。
凛人は着々と、その有限の幸福を消費していくーーー
「分かった、お手柔らかにね」
ーーー人間は、幸福と不幸を合わせ持つ、不安定な存在だ。
学院内トレーニングスペースにて、
凛人とシェリアは凄まじい攻防を繰り広げている。
どちらとも、前の戦いから一変し確実に実力を上げている。
「行くわよ!凛人!」
シェリアの剣から凄まじい魔力が溢れ、形をなして行く。
一輪の赤い薔薇がシェリアの手元に現れ、周囲の温度が微量だが低下する。
この感覚にあまり良い思い出の無い凛人は防御壁を展開する。
来る。
凛人は戦慄した・・・が、
「・・・あ、あれ? な、何も来ない?」
拍子抜けだった。思わず声が漏れる。
何も起こらなかった。
「シェ、シェリア?」
シェリアの手元には赤い薔薇があるだけで、攻撃系統の魔力が来ない。
これはどうしたものか。
「だから、まだ甘いのよ。り、ん、と、くん?」
不意にこぼした彼女の笑みが、"それ"を起動させる。
激しく光るその薔薇を天に投げ、天井一面に巨大な薔薇が無数に現れる。
「え、え、え、えええええ!?」
遅かった。
「炎槍雨の薔薇」!!
その天井の薔薇から、炎槍の雨が凛人にふりそそぐ。
「こんな室内でこの技をぶっぱしたら助からないわねっ♡」
「それはおかしいだろ!」
その言葉と同時に、槍達は着弾し物凄い煙をあげる。
しかし、
「・・・!? えぇ!? ウソ!」
シェリアはドヤ顔を決めていたのもつかの間、凛人が無傷で立っている事に
目を大きくさせて驚いた。
「やったね! ルフラージっ」
「まぁ、こんな物だろう。貴様もなかなか悪魔使いが荒いな」
凛人の背後にルフラージの姿があった。
「じゃ、シェリア。反撃だよ!」
「え、ちょ、まっ・・・」
まさに一瞬。黒く光るその一線は、秒も感じさせない程速く、呆気なかった。
凛人の剣先が、シェリアの首元に迫っていた。
「・・・わ、分かったわよ! この模擬試合は私の負け!」
「やったぁ! これで50対50だね!」
汗だくの2人はその場に座り込む。
疲労感がどっと溢れ、お互いにヘトヘトだ。
勝っては負け、勝っては負けを繰り返しながら、鬼の様な練習を積んできている2人は
これではキリがない、と思っていることだろう。
「というか凛人、貴方だいぶ強くなったわよねー。ルフラージが来てから人が変わったみたいね。ねっ? ルフラージ?」
剣から出てきたルフラージは一言告げる。
「気安く世の名を呼ぶな、雌猫風情が」
頭に血管が浮かぶほどシェリアがキレたのは言うもでもない。
「まぁ、まだ上手く力を使える訳じゃないかね・・・宝の持ち腐れだよ」
凛人は苦笑いしながら言う、がしかし、これは紛れもない事実。ルフラージと言う煌級精霊がいるものの、最大限の力をまだ出し切れていない。もっと練習しなければ。
そう、凛人は思った。
「そう焦る必要もないわ。貴方、確か次の学院選抜に選ばれたんですって? いい機会じゃない! ちなみに私も選抜メンバーよっ。頑張っていきましょ!」
「そうだね、頑張っていこう!」
学院選抜を控えた凛人とシェリア。
学院選抜まで、残り5日。
ーー煌王選まで、残り半年。
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「はーいぃ静かにしろー。ホームルームを始めるー」
「起立、礼」
クラス内バラバラに声をだし
「「「おねがいしまーす」」」
「着席」
この有様にロイウェルは言う。
「相変わらず変わらんな! その挨拶はよぉ!」
とりあえずホームルームを始める。
今日は午後から全校集会が行われる。
その内容は、『学院選抜』の壮行式である。
明日、選抜メンバーは学院を出発し、とある都市へ向かう。
「大都市ヴァレニア」だ。そこは様々な地方や国、学校などから若き喚剣士達が集まる場所。
主に、その若き喚剣士を育成する為に設けられたと言ってもいい都市である。
そこに煌聖学院の選抜メンバーが訓練をしに向かう。
軍隊同様、とても厳しい訓練が待っており、過去に選抜に参加した人々は口を揃えて、
『軍恐都市』と言われて恐れられている。そのため、過酷な訓練になるため毎年リタイアする生徒も少なくない。そのかわりと言っては何だろうが、学院からの激励はとても手厚い。
「このクラスからは、何と3人も選抜に選ばれている。もう知っているとは思うが紹介をさせてもらう。選抜メンバーはその場に立て!」
3人が口を揃えて言う。
「「「はいっ!」」」
「雨宮 凛人。シェリア=フレニス・ローズ。葉月 志乃。以上3名だ。」
名前を呼ばれて、やっと実感する。
この先は相当辛いだろう。でも強くなるには避けては通れない道。
やり遂げてみせる。そう強く思った3人であった。
「今日の壮行式では、もっと大きい拍手しねぇと宿題増やすかんな?」
そう言いのこし、ホームルームの時間が終わりを告げる。
時間が過ぎ、午後を迎える。
「学院選抜メンバーの入場です」
壮行式が始まった。
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