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『精霊召いの喚剣士』  作者: 実山 悠
第2章『煌王選《ロイヤル・ディサイド》』
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第14話『前進』

みぃなさまぁ! 大変長らくお待たせいたしましだぁ!

次話投稿になります! とても時間があいてしまいまいたが、投稿徐々に再開しますので、ご愛読のほど

よろしくお願いします!

8


「なぁ、ルフラージ。お前ってどうして顔を見えにくくしてるんだ?」

ある青年はそんな言葉を投げかけた。

それに応じ、闇の煌級精霊。ルフラージは答える。

「別に良いであろう。貴様には関係あるまい・・・と言うか何度目だ」

苦笑いしながら、

「ははっ! やっぱり今日もダメかーっ」

「まったく・・・馬鹿者目が」



ーーーそれが、とある1人の青年と、とある悲しい闇の精霊とのーーーー


『最後の会話だった』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ルフラージ?」

凛人は問う。

「・・・何でもない。世はまたしばらく眠ろうとしよう」

ルフラージはそう言い残し、剣に溶け込んで行く。

凛人も何も言えないまま、それを見守っていた。

ーー精霊。未だその全ては明かされていない未知の存在。

その存在が、果たしてーーー。



「凛人さん、お疲れ様でしたっ! お身体に違和感などは無いですか?」

アリスが顔を覗き込む。あどけないその愛らしさに、凛人も緊張感から解放され

思わず緩む。

「あぁ、大丈夫。ありがとう、アリスちゃん」

「はいですっ! ですが凛人さん、ぜっっっっったいに! むりは! ダメですからっ!

ねっ!!!」

アリスは元気よく、そして口を大きく開けて言い放った。

「わ、分かってる分かってる!」

何とか落ち着かせゆっくりとなだめて行き、ちょっと強張っていた表情が笑顔に変わる。

「ルフラージとの適性率は相当高いものです。当然ですが、この数値は異常です。

この先何が起こるか未知数ですので、普段よりもお身体には気を付けて下さいねっ!」

「了解、気を付けるね」

2人はユニオンルームを後にした。


凛人は、寮への帰り道にある違和感に気付いていた。

違和感とは言っても、なんかこう、いい違和感といった所だろう。

率直に身体が軽い。いつもより軽い。

おそらくこの身体の変化もルフラージによるものだろう。

「やっぱり、軽いな」

凛人は自然と地面を蹴り出していた。

「よっt・・・・」

地面を蹴る。




「軽く」蹴ったと思った。





「のわぁっ!!??」

瞬間、物凄い瞬発力で前方へ身体が動いた。

動いたと言うよりも「吹き飛んだ」が正しい。

その勢いは弱まる事なく進み・・・

「とまってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


凛人は近くの木に衝突していた。

「っててて・・・な、何だよこれ・・・」

早速身を持って体感した適性率故の力に、まだしっくりこない。

シェリア達もこんなになったのだろうか。

「とりあえず・・・帰ろう・・・」

なんだかんだ言って、忙しい1日が終わる。


次の日、凛人は学院長室へと向かった。

目的は大きく分けて2つ。裂闇の黒剣とルフラージについて、そしてこの身体の変化についてだ。凛人は重圧な扉を叩く。

「失礼します学院長」

椅子を半回転させリレイは言う。

「やぁ、そろそろ来る頃かなぁと思っていたよ。さ、腰をかけたまえ」

待っていたかの様に話を始める。

先に口を開いたのはリレイ。

「初めに、適性試験ご苦労だったな。どうだ?剣とルフラージの調子は」

「なんか、不思議な感じです。この事についてもお聞きしたい事があって来ました」

凛人は切り替え本題に入る。

リレイも察した様に真剣な眼差しに変わる。

「実は、昨日の適性試験の後から身体が不思議な様に軽いんです。なんというか、常に喚剣融合(ユニゾン)を行っている様な・・・感じなんです」

突如、笑い声が響く。

「はははっ! 流石、雨宮凛人だ! 私の予想を超えていくな!」

凛人は認識しきれていなかった。何故笑っているのだろう? 予想を超えた?

「凛人君、君は自覚しなければならない。その才能にな」

「才能、ですか? 才能と、この変化になんの接点が?」

思わず聞き返す。

「そう、才能だ。君の悪魔・・・いや、ルフラージの存在も大きく関わっている。

君は適性試験後から身体が軽いと言ったな? それは喚剣士(ハーフナー)の武器と言っても過言では無いだろう。それは喚剣融合(ユニゾン)とも似た感覚。しかし喚剣融合(ユニゾン)よりも上の段階のモノ・・・私達の間では「精霊化」と呼んでいるよ。

この精霊化は、喚剣融合(ユニゾン)を行わずとも精霊の力を行使できるものだ。

精霊が媒体としている剣を持っているだけで力が湧いてくる素晴らしい力だ。主に聖級精霊、煌級精霊が可能な能力なんだが、覚えるのには相当時間を要する。なのに君はその感覚を1日で感じ取れた。末恐ろしい子だな、まったく」

リレイは長々と話を続け、説明をする。

「だから、心配は要らないよ。逆にそれは君が強くなれるチャンスだ」

強くなれるチャンス。

凛人は知らぬ間に拳を握りしめていた。

ここまでくると自分でも自分が少し怖くなる。

果たしてこの力はこんなものなのか。それは絶対に無いだろう。

何を怯えている。これは自分でも覚悟して決めた道なのだろう?

ならばその道を迷わず進め。そう自分に言い聞かせる。

「僕は、どうしたらいいんでしょうか・・・」

「ここの段階に来るまでがとても短い、また前回の様に狙われる可能性だってあるだろう。

君は強くならなければならない運命にあるのだ、そのため、この機を逃してはならないと私は思う。どうだ?凛人君。「学院選抜」で遠征にいってみると言うのはどうだろうか?」

学院選抜。前に志乃がヘトヘトになって帰ってきた、あの学院選抜か。

「・・・僕は、強くならなければならない理由があります」

凛人は胸を張りなおし、リレイに向かって堂々と言い放った。

リレイもその覚悟を承諾し、

「良いだろう、その意気だ。やってみると良い」

こうして、凛人は学院選抜へと選ばれた。

ちょっと和んだ空気もつかの間、リレイは次の言葉を聞いて様子を変える。

「あ、学院長。もう1つ気になる事が・・・」

小さく反応をリレイはみせる。

「どうした?」



「この剣とルフラージを初めて手にした時から、よく頭に変なイメージが浮かぶんです。

誰かが精霊と話しているような・・・そう、男の人でした」


何かを隠す様にリレイは言う。

「凛人君、少々考え過ぎでは無いかい? 今日は沢山話したな、さ、時間だぞ?」

凛人はリレイの対応に少々引っかかったが気には止めなかった。

席を外し、学院長に一礼しその場を後にした。

「まだ、彼の事を喋る時では無いだろうな・・・」

リレイは唇を噛み締めた。







頑張って投稿していきます! 待っててくらさぁぁぁい!

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