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『精霊召いの喚剣士』  作者: 実山 悠
第2章『煌王選《ロイヤル・ディサイド》』
14/16

第13話『全ては記憶と共に』

次話投稿です!

7



「へへへっ。絶対に口はわらねぇからな?」

煌霊力(ネイクス)吸収事件の盗人は一時的に学院側で保護する事になり、

生徒会側での事情聴取が行われていた。

「んー。中々困った子ですねー」

セシルは苦難の表情を見せる。

今までの事を整理すると、この盗人はどこかの学校の生徒だと推測される。

目的としては、"裂闇の黒剣„の奪取。そして、

「凛人様の殺害、と言った所でしょうか」

凛人の殺害。他所の学校は凛人の存在と"裂闇の黒剣„の存在を掴んできていると言う事になるだろう。

「貴方、どうやってこの学院に侵入したのでしょうか? お聞かせ願います」

「だから言うか! お前らはアホか!」

どうしたものか、と思うセシル。

扉が擦れる音と共に、学院長が現れる。

「やぁ諸君。今はどう言った状況だい?」

「彼が中々喋ってくれないもので・・・」

瞬間、学院長の表情が変わる。

氷の様に冷たい表情が、周囲を凍結させる。

「申し訳ないが、セシル君。ちょっと席を外してくれまいか? 他の生徒にもそう伝えてくれ」

「わ、分かりました」

そう言うと、その場の生徒が続々と退出してゆき、部屋には学院長と盗人の二人きりとなる。学院長は、ふぅと息をもらし手を組み、

「さて、率直に聞こう。誰からの指示だ」

「・・・ッ」

盗人はその場に固まる。固まると言うよりも"動けない„と言う表現が正しい。

学院長の冷淡な眼差しが盗人を喰らう。

「は、ははっ! だ、だから言わねぇよ! さっきから言ってんだろぉが!」

その空気を振り切り盗人は言葉を発する。しかしその言葉に効力は持たない。

学院長は、続けて質問を投げかける。

「ふむ、わかった。なら質問を変えよう」

「だぁかぁらぁ? 喋らねぇっていってんーーーー」

覇夜の執行者ナイト・ジャッジメンターか?』

盗人の表情が一変。これは当たりを引いた。

「はははははっ! 君は分かりやすいな! そうかそうか! そう言う事か、なら話が早い!」

学院長は笑っていた。まさに魔女の様な笑い。

気味が悪いと誰もが思うだろう。

その笑いには、面白さと言うよりも憎しみの様な感情が含まれている様に見えた。

「聞きたいことは聞けた。もう用はない」

「な、なに勝手に言ってやがる! そ、そんなの、聞いたこと、ねぇよ! 殺すぞッ!」

その言葉を引き金に、学院長の背後に魔女が現れる。


「言葉を慎みたまえ。妾の前だぞ?」


極端に温度が低下し、室内の水分が凍結する部屋に出現した精霊が言う。

「まぁまぁ落ち着け、"クワイア„」

盗人は"クワイア„と言う言葉を聞いて、またもや表情を変える。

次の表情は『恐怖』そのものだ。


「ク、クワイアだって・・・? 冗談じゃねぇ・・・水の、"水の煌級精霊„・・・じゃねぇかよ・・・」


ーークワイア。精霊の根源となる五属性の中の一体。

その力は『災禍』を生み出すとも言われている。


「まさか、お前は・・・す、『水災の魔女』!?」


「妾達を知っているとは光栄だな、人間。だが、その命の炎もこれまでだ。

妾の力で消してくれよう」


「や、やめ、てーーーー」

盗人は意識を失う。

力を行使する前に、極度の恐怖で意識を失ってしまった。

クワイアは残念そうに、

「ふぅ、全く。これだから今の人間はつまらん。なぁ? リレイ。そう思わんか?」

「はははっ! そうかもしれないな。だが、面白い奴も案外いるものだぞ?」

リレイが室外にいる生徒達に指示を出す。


『申し訳ないが、だれかこいつを医務室に運んでくれ。少々遊びすぎたよ』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その頃凛人は、修復が終わったユニオンルームへと来ていた。

「では、凛人さん。改めて"裂闇の黒剣„を手に取ってください」

アリスの指示が入る。

凛人は今、『ルフラージ』と『裂闇の黒剣』との適性率を再度チェックしていた。

「い、いくよ!」

腹をくくり勢いよく剣をつかんで見せる。軽く二振り程、剣を動かす。

「凛人さん。今の状態で何か気になる事はありますか?」

「気になるというか、むしろ逆さ。力が流れ込んでくるのが分かる」

まずは第一段階クリア。

この力が流れ込んでくる感覚は、盗人から剣を取り戻して、止むを得ず剣を掴んでしまった時と似た感覚だ。

「では、次に喚剣融合(ユニオン)を行ってみましょう。危険が伴うので、危ないと思ったらすぐに中断して下さいです! いいですか?」

了解。と返事をし、凛人は静かに目を閉じる。


すぅ、はぁ。


呼吸を整え、

喚剣融合(ユニオン)。ルフラージ!」

その剣から姿を現し、凛人に半身に力を注ぎ込まれていく。

グラディスの精霊とは比にならない負荷がかかる。

「ぐっ・・・」

今にも力が暴発しそうになる。



ーーーーしかし、凛人は"前の凛人„ではない。



「ーーーー完了(ログイン)

凛人は『裂闇の黒剣(レイトラ=クレイス)』と、『ルフラージ』

と言う高い壁を乗り越えたのだ。


アリスが声を震わせて言う。

「て、てて、適性率・・・"98%„・・・こんなの、初めて、み、見ました・・・」


凛人の身体に長い事居ただけの事はある。

「おかえり、ルフラージ」

「雨宮 凛人。貴様は世の力を振るうに相応しい。だが、面白くなければ喰われるのみだ」

「わかってる」

そして、清々しい表情で凛人は言う。



『これから僕達は家族だ、ルフラージ。よろしくね』


「ッ!」



ーーーーーーふっ。親子と言うのはここまで似るものか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



『ーーーーこれから"俺達„は家族だ、ルフラージ。よろしくな』

彼は笑顔で言った。









誤字、脱字等がございましたらご指摘宜しくお願い致します!


なんといいますか、2章。多分めっちゃ長くなりそうな予感がする((

ま、まぁ凛人君大活躍だし? 剣バンバン振るっちゃうし?



ーー長くなっても怒らないでくださいお願いします。

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