第11話『デートらしからぬ何か』
ちょっと時間が空きましたが、
次話投稿になります!!
これの次の話もなるべく早くだしますので、お楽しみに!
※誤記に関して。
作中に、「煌王選」と言うワードで、
煌王選の「選」を「戦」と記載してしまっていたので修正いたしました。
「凛人! お待たせっ、まった・・・?」
今日はとても天気がいい。
こんな日に、とても相応しい姿のシェリアはいった。
ーーーー意外と直視できない。
「凛人?」
「あっ、だ、大丈夫! 僕も今来たところ」
「・・・? どうしたの? 変な凛人ね。 ま、いいわ! いきましょ!」
雲ひとつない晴天の土曜日に、二人は学院内にある、学店街へと出かけた。
その街には、学院で生活するうえで必要な物を購入できる所や、娯楽施設が数多く並ぶ。
『あれ? なんで今シェリアと出かけてるんだっけ?』
そう。どうして二人で出かけているのか。
それは三日前にさかのぼる。
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身体の煌霊力をうまく調整。
そして、その力をこの"剣„に・・・っと。
「で、できた・・・!」
凛人はその場に倒れこむ。
「調整のコツをちょっとずつだけどわかったきたかな」
彼自身の課題でもある、『煌霊力の調整』
これを克服しようと精進していた。
「ん・・・? ばっ、バカかお前! もう動けんのか!?」
クォールが叫ぶ。
「あ、クォール。おはよー」
「あ、クォール。おはよー。じゃ無いだろ! まだあれから
たいして時間経ってないのに、そんなに力使って大丈夫なのか?」
現在、朝の5:30。クォールは朝のランニングに出ていた。
そこで偶然にも凛人をみかけたのだ。
「なんか、ちょっと寝たら元気になった」
シェリアとの戦いで負傷した凛人であったが、その驚異的な回復力で
すでに動ける状態まで回復していた。
「この通り、もう大丈夫!」
お気に入りの"剣体強化„をしてみせる凛人。
「相変わらずお前の剣体強化は凄まじいな・・・また貰ったグラディスにも慣れてきたみたいで何よりだ。でも、無理は禁物だぞ?」
「わかってる」
クォールは、またランニングに戻っていった。
ーーなんだろうか。さっきから視線を感じる。
凛人は謎の視線をさっきから感じていた。クォールは気づいていなかったみたいだったが。
意識を集中させ、周囲を警戒する。
凛人は小さな声で、
「喚剣融合。完了。グラディス」
そっと戦闘態勢に移行する。
じっと、じっと周囲を警戒し、冷や汗が滴り落ちる。
この緊張感、これはおそらく"殺意„
今向けられているのは殺意だと、凛人は認識した。
「んー、ちょっとやばいかな」
剣を握り直し、構える。
「あれ? 凛人?」
少女の声が聞こえくる。この声はシェリアだ。
「シェリア?なんでこんな時間に?」
「貴方こそこんな時間に何やってるのよ」
凛人はハッとする。
『さっきの殺意が消えてる・・・?』
果たしてさっきの"殺意„はなんだったのだろうか。
『気に、しすぎたかな・・・?』
「り、りんと!」
「な、なに!?」
シェリアが顔を赤らめて言う。
「そ、その、この前は、や、やりすぎちゃたわよ。それで、その・・・」
上手く話せない。
「その・・・ご、ごめんなさい!」
「え、きゅ、急にどうしたの!? シェリア!」
凛人も急なこと過ぎて、何の事を言っているのかわからない。
「どうしたって・・・その、喚剣戦の、こと・・・」
あぁ、その事か。と納得する凛人。
「なんだ、シェリア。そんな事気にしないでよ」
「だって、あの攻撃。実は考えてた威力よりも、倍の火力で攻撃しちゃった
から・・・その・・・凛人を・・・怪我させちゃったから・・・」
ちょっと涙ぐんでシェリアは喋る。
「シェリア。僕は今ここにいるし、二本足で立ってもいる。見ての通り
元気だから心配しなくてもいいよ? ありがとねシェリア」
ーーーグスっ・・・
この凛人の言葉を聞いたシェリアは、いままで溜め込んでいた気持ちを
爆発させる。
「ウワァァァァん!!!」
「ちょ、シェリア!?」
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ーーーーあぁ、そうだったそうだった。
それで泣き止ませたあと、シェリアがこう言ったんだっけ。
『わ、私の泣き顔みたわね!/// こ、これはダメ! ダメね! 凛人!
なんか美味しい物でもおごりなさいっ!』
でもまぁ、こんなに楽しそうにしてるならいいっか。
「ねぇ凛人! 私ケーキが食べたい!」
「りょーかいっ」
学院でも有名な店で、二人はケーキを食べる。
「ここのショートケーキ。本当に美味しいらしいのよ!」
嬉しそうにはしゃぐシェリア。シェリアもこんな表情みせるんだな。
「このチョコレートケーキうまい!」
「ショートケーキじゃないの!?」
なんだかんだいって、ケーキを食べ進める。
「どうしたのシェリア?」
さっきから僕のチョコレートケーキをチラチラ見ている。
「っぁ、なんでもないわよ!」
凛人はフォークでチョコレートケーキを切って、一口だいにする。
それをシェリアに向け、
「はい、シェリア」
「!?」
「た、食べたくなかった・・・?」
シェリアは熱があるかの様に顔を真っ赤にする。
「り、りりり、凛人? これって、その、そその・・・世に言う、関節キス
と言うものじゃ・・・」
凛人はシェリアにそう言われ、自分がやっている事がどれだけ大変な事かを理解した。
優しさ故の過ちだ。
「ご、ごごごめん!」
慌ててフォークを引っ込めようとする凛人をシェリアは止める。
「まって・・・! せ、せっかく、くれるんなら、貰ってあげるわよ・・・」
動揺する凛人。どうしたら良いのか判断がつかない。
どうしよう。これはどうしたら良いものか。
手先が震える。
「あ、落ちる!」
フォークの先のケーキが落ちかけた瞬間、シェリアがケーキを口へ運ぶ。
「あぶなかった・・・わね・・・って・・・あ///」
シェリアの口にチョコレートケーキ。
凛人もシェリアと目を合わせる事ができない。
「////////////」
シェリア自身。恥ずかしくて、本当に食べる気は無かったのだが食べてしまった。
「そ、そのー・・・美味しいですかねー?」
「美味しいに決まってるわよ! バカ!」
そして、訪れてはいけない、『沈黙』が二人を襲う。
当然だが、気まずい。相当気まずい。
「ーーげるわよ」
「え?」
「私のもあげるって言ってるのよ! これでおあいこでしょ!」
無理やり、凛人の口にショートケーキを押し込まれる。
「ふ、ふはい!!(う、うまい!!)」
ーーとまぁこんな感じで、騒がしいお茶会になってしまった。
「「ふはーーっ。美味しかった!」」
二人は満足そうにベンチに座っていた。
「ねぇシェリア。時間があればでいいからさ、ここらへんを回って見ようよ!
僕、この学店街にあんまり来たことないからさ、ダメかな?」
シェリアは笑顔になって、凛人に言う。
「もちろん良いわよ! そうと決まれば座っている場合じゃないわ!」
こうして二人の"デートらしからぬ何か„は、延長戦へと移った。
『ーーーククククッ。もうすぐだ。「裂闇の黒剣」は我々の物に・・・』
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