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『精霊召いの喚剣士』  作者: 実山 悠
第2章『煌王選《ロイヤル・ディサイド》』
10/16

第9話『光と熱』

次話投稿になります!


私事ですが、試験が無事終了しましたので、

投稿させていただきます!

楽しんでおってくださいね!


※最後の部分のセリフを修正しました(9/25 9:00)



審判の掛け声とともに甲高いシェリアの声も響き渡る。

喚剣融合(ユニオン)! 完了(ログイン)! 禁焔の魔剣(シグナル・フレイザー)!!」

可憐に焔をまとい、剣を振る。

久しぶりにシェリアの喚剣融合(ユニオン)を見るな、やっぱり綺麗だ。

凛人は編入時に見た光景を思い出していた。

「さぁ凛人、貴方も特訓の成果を見せてみなさい! 初の晴れ舞台。喚剣融合(ユニオン)くらいは待ってあげる!」

シェリアが僕の喚剣融合(ユニオン)を促す。

その言葉に続くように凛人の周りに光が生じてゆき、こう言う。


「言われなくてもそのつもりさーーー」


凛人の(グラディス)が激しく呼応する。

「ーー喚剣融合(ユニオン)完了(ログイン)、グラディス!」


姿を現した無名の精霊は、徐々に凛人の半身を飲み込んでいく。

そして、凛人の身体には二つの姿があった。

「いくよ。シェリア!」

「来なさい! 凛人!」


光と焔の衝突。


「ハァァァ! 『サクリカル・スラッシュ』!!!」

剣体強化が施されたグラディスが、鋭く、そして重くシェリアに降りかかる。

サクリカル・スラッシュ。叫んでみたは良いけど恥ずかしい。

「あれっ?」

「あれほど注意したのに・・・」


気付けば、前にあったシェリアの姿が僕の背後にあった。

「ちょっと・・・ガッカリッッっよぉ!」

「なっーー」

背後からの衝撃。

背中に熱と痛みが走る。

これが、これが喚剣戦(ハーフェニクス)か。

凛人は倒れなかった。すぐさま体勢を立て直し、力強く踏みこむ。

「まだだぁっ!」

喚剣融合(ログイン)時は身体能力が向上するため、

ちょっとした踏み込みでも、とんでもない加速力を生む。

「え、うそっ! 速すぎーー・・・」

シェリアも凛人の加速力に驚きを隠せない。


刹那、シェリアが吹き飛ぶ。


これには会場も一気に沸く。

「あの編入生、シェリアにグラディスでここまで! これどうなるかわからねーぞ!」

「シェリア様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

色々な声が飛びかい、もはや祭り騒ぎだ。しかし相変わらずシェリアのファンはすごい。

「っと、こんな事考えてる場合じゃないや」

その通りだ。考えてる場合では無い。シェリアがこれだけでダウンすると思うか?

すぐさま、その答えはやってくる。

「お返しっよっ!」

「あぶなっ」

その激しい攻防が繰り広げられる。

何度も何度も、繰り返し金属の衝撃音が奏でられる。

その音は、速さのあまり連続して聞こえる。


剣と剣が衝突するにつれ、凛人はある異変に気付く。

「なんか、寒くなってきてないか?」

体感の温度が低く感じる。汗が冷えたのかもしれない。

そんな考えも浮かんだが、その頃には遅かった。


「ーー凛人、覚悟しなさい。とびきりデカイのいくわよ!」

そう、気付くのが遅かった。この会場の気温の変化に。

シェリアと剣を交えるにつれ、どんどん周囲の気温が下がっていっていた。

いや、下がっていったというよりも『吸収された』の方が正しいかもしれない。

勝負が始まってから、なりに時間は経過してきている今。

ここでシェリアは勝負にでる。


「イグニスト、ちょっと無理するわよ。」

少女の半身に存在する精霊は、小さく答える。

「ありがと。 じゃぁ、いくわよ!」

イグニストを通して、シェリアの体内に吸収された熱を

禁焔の魔剣(シグナル・フレイザー)に最大出力で注ぎ込む。


凛人もその光景に戦慄を余儀なくされる。

なんせ目の前には「太陽」そのものの様なエネルギー体があるのだから。

「これはやばいよ! シェリア!」

「死にたくないなら全力で防ぎなさい! 私も全力でいくわよっ!」


「「「「やばいやばいやばいやばいやばいやばい」」」」

その場にいる全員が思う。



禁焔の魔剣(シグナル・フレイザー)上限解除(アップデート)


巨大なエネルギー体が剣の形を成してゆき、今までの剣では無くなっていた。


禁忌の焔剣(レヴァ=へイズ)。神殺しの一撃をーーー』



そして、その一撃は、その高熱の一撃は会場を一瞬で飲み込んだ。





『神殺しの魔焔』ヘル・ラグナ・クォーダー!!!!!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



そこには、焦げくさい空気が漂っていた。

全てを焼き尽くし無に帰しかねない焔は、役目を終え姿を消す。

「勝負、あった、で、しょう?」

体内の熱を使ったシェリアは、低体温症の様な症状をしており、

震えていた。

「しょ、勝負に見入り過ぎて、実況を忘れてしまいました! あの強烈な一撃をくらった彼は、果たして無事なのか!?」


凛人がいたところは、瓦礫(がれき)の山になっている。

「これは、どうしますか? 先生」

ホープがつい声をもらす。

「ん? 何を言っている? まだ勝負は終わっちゃいないぞ?」


ガラガラッ・・・


瓦礫の山から一本の腕が姿をみせる。

「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」


「うそっ・・・でしょ・・・」

シェリアも信じられない。

「っててて・・・さすがに煌霊力(ネイクス)フルに使っちゃったな・・・」

凛人は戦闘不能になっていなかった。またもや会場が沸く。


「「「「「やべぇよ! あの雨宮とかいうやつ! やべぇよ!」」」」」」


「どうやって、防いだってわけ!?」

「僕の煌霊力(ネイクス)をほぼフルに使って、防御壁の生成にまわしたんだ。

あと一歩遅かったら完全に倒れてたよ」

苦笑いで凛人は言う。

「貴方、"ほぼ„って、まだ煌霊力(ネイクス)残ってるわけ!?」

「ま、まぁね。でも・・・」

そう言うと、凛人は右手に握っているグラディスをみせる。

その剣は粉々になっていた。

「僕の気の緩みで、この子を壊してしまった。本当に失態だよ・・・」

続けて、

「気の緩みのせいで、実は完全に攻撃を防ぎきれなかったんだよ、ねーーーー」

凛人は膝から崩れるようにしゃがみ込む。

煌霊力(ネイクス)切れでは無く、外傷によるダウン。

今回の戦いは、シェリアが一つ上手(うわて)だったようだ。




「おぉっと、これは意外だなーーーーーー両者、そこまで! 雨宮 凛人の戦闘続行不可能とみなす。よって勝者、シェリア=フレニス・ローズ!」



歓声と拍手が会場を包み込んだ。


誤字、脱字等ございましたらご指摘お願い致します!


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