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クリスマスプレゼントです、魔王様☆

 クリスマス・イブ。

 世間では恋人達がいちゃいちゃする日になっていたりするのだが、


「さて、カメラ片手に勇者を“盗撮”しに行くか」

「魔王様、何もこんな日まで……普通にいちゃいちゃしていれば良いのでは?」

「……勇者は今日も仕事だ。しかも今日は特に忙しい」


 ふてくされながら、側近に言う魔王。

 何でもクリスマスという恋人がいちゃいちゃする日には、嫉妬に駆られた男達がサンタと戦う“最終クリスマス・ヲォーズ”があり、それを収めるのに駆り出されるらしい。

 ちなみにサンタさんはこの日のために、日々体を鍛えており、去年も含めてサンタ達の全勝であり、負けた嫉妬に駆られた男達は全員サンタにお持ち帰りされたらしい。


 ただ一般人に迷惑をかけない範囲でというが、たまに巻き込まれそうになるので勇者が駆り出されているのだ。

 なので今日も忙しくなるかもとの事で、魔王はさびしいクリスマスを、二次元キャラと過ごす羽目になりかけていたのだが……。


「クリスマス使用で、勇者の恰好もまた違うようなんだ。だから見に行ってくるね」

「……“盗撮”」

「だ、だって正面切ってお願いすると、『それなら交換条件を飲んでもらおうか』って言って、凄く幅広いプレイを要求されるんだもん! だからこっそりとるしかないじゃないか!」

「いつもいつも、撮りに行くたびに勇者に、魔王様は美味しく頂かれているような……」

「だ、だって、見つかるし、それに他の奴と思わせぶりな態度を僕の目の前でするし!」


 勇者はモテるので、他の人達といい感じになって見せるのだ。

 しかも毎回毎回魔王の前で、気付いたようにちらっと見ながら親密そうな雰囲気を出すのである。

 そもそもこういった恋人同士になっているのも全部こっそり勇者を魔王が見ていて、それに気付かれて勇者に美味しく頂かれてしまったのが始まりだった。


 今でこそ勇者と魔王の戦いは形骸化しているとはいえ、昔もこの二つは恋人同士になる率が高かった。

 その辺の事情は置いておくとして、魔王は側近に、それじゃあ言ってくるよと伝えてその場から移動したのだった。







 どうやら今日は早く勇者の仕事が終わったらしい。

 宿でお風呂に入っていると聞いた魔王は、天井裏に忍び込んだ。

 これぞ、東の方の国にいるNINJAだ! と良く分からない事を思いつつ、こっそり隙間から裸の勇者の様子にわくわくしながら様子を伺おうとした魔王だが、


「誰だ」


 その一言で天井が崩れた。

 もちろんそこにいた魔王も落ちて行くわけで、天井の板は全て消滅させられていたので、その破片に触れてけがはなかった。

 ただ、その時にそのまま勇者の入っている湯船に魔王は入り込み、


「ああ! 僕のカメラが!」

「また忍び込んで写真を撮ろうとしていたのか。何時だって好きなようにとらしてやると俺はいっただろう」

「こ、交換条件があるじゃないか!」

「女装させてちょっと縛ったり色々しただけじゃないか」

「色々の所が問題なんだ! うう、もういい、今日は陰に隠れてずっと勇者を観察して自分の目に勇者の姿を焼き付けてやる……え?」


 そこで魔王は勇者に後ろから抱きしめられた。

 

「折角こんな風に、魔王が自分から降ってきたんだから、クリスマスプレゼントと思って良いってことだよな」

「ち、ちがっ」

「相変わらず魔王は可愛いよな。早く俺だけの物にしたいよ」

「ゆ、勇者がゆっくりしているからだっ」

「実は魔王の体を俺なしじゃいられなくするためになかなか魔王城に着かないと言ったらどうする?」


 魔王はびくっと震えてそろりと勇者の顔を見上げた。

 勇者は意地悪く笑っている。

 魔王はびくびくしている。と、


「……冗談だよ」

 

 そう笑って、勇者はそのまま魔王をベッドに引きずり込んだのでした。





 こうして魔王と勇者がいちゃいちゃするのはよくある話。

 そして、勇者が言っていた体を先に落とす話は本当だと魔王が気付くのは、もう少し先の事だったのだった。





「おしまい」

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