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スヴァルトアルファヘイムにて

おじさん登場。

ニーソクについての説明・・・いらないよね?

スヴァルトアルファヘイムは活気に溢れている街だった。


正面の大通りにはたくさんの露店が並び、街行く大勢の人は笑顔で満ちている。

建物は白壁に木組みがされたものだ。屋根の色は赤に統一されているみたいかな?

勿論それだけじゃないけど、他もレンガ造りだったり木造だったりで歴史を感じる。

奥のほうには噴水広場なんてのもあるみたいだ。街灯も多いから夜でも明るいんだろう。


全体的に賑やかでお洒落な街だ。新王都にはピッタリだね!

正直ミッドガルドが酷いだけだけだと思うけど、それでも興奮せざるを得なかった。



「すごい、すごいよフォル!」


「むっ、ミッドガルドだって昔はよかったんだぞー?

でも確かにすごいね! こんな感覚、なんだか久しぶりだなぁ。」


「興奮するのはいいが二人とも、コイツどうするんだ?

どこか宿でも見つけないとなんじゃないか?」


「おぅ、そうだった。それじゃ適当な人にでも声かけてみよっか。

・・・すいませーん!」



フォルは手を振って、近くにいた体格のいい男性に話しかけた。

そのおじさんは30歳くらいかな、結構人のよさそうな顔つきをしている。



「お、譲ちゃんどうした?」


「私たち、今ちょっと宿探してるんだ。どこかいい宿知らないかな?」


「おう! それならいい宿知ってるぜ?

なんせこの俺様が仕切ってるんだからな! 質は保証するぜ?」


「ん? じゃあまさかあなたは宿の店主さん?

それは丁度よかった! じゃあ今日3・・・いや4人泊まれるかな?」


「おうよ、バッチリだぜ!

・・・だが4人? 譲ちゃんのほかに誰かいんのか?」


「うん。そこにいるんだけど・・・」



そう言ってフォルは僕らを指差した。

すると店主のおじさんは驚いたような顔になる。えっ?


フォルが店主さんを連れてこっちまで歩いてくると、おじさんは僕らをまじまじと見て「ほぉ・・・」と何かを考えながら声を上げた。



「こりゃ驚いた・・・譲ちゃんだけでも珍しいってのに、まさか他にも青髪と赤髪のヤツがいるとはな。

・・・・・って、兄ちゃんが背負ってんのニーソクじゃねえか!? どうしたんだ一体よぉ!?」



あぁ、そういえば騎士の人も言ってたけど僕らの髪色って何かあるのかな?

・・・って、



「ん? ニーソクっていうのか、コイツ。

・・・あんたの知り合いか?」



バルは担いでいる白い人を指差して聞いた。

それにおじさんは頷いて答える。



「あぁ、まあな・・・というかこの街でコイツのこと知らないヤツなんていねぇよ。

なんてったって、コイツ突然超モテるようになったと思ったら、また突然こんな姿になっちまったんだからな。

こいつ元々特別いい顔してるわけじゃなかったのに急にモテるようになったもんだから、街のやつはどうしてこうなったのか探ってたんだが・・・結局、今でもわからずじまいだ。」



おじさんはわざとらしく両手を広げて首を振った。

えぇ・・・? 急にモテるようになったと思ったら、突然こんな姿になったって・・・。



「それじゃまさかこの人、元は人間だったんですか?」


「そうなんだよ。まぁどうしてこうなったのかは俺も知らねぇがな。

・・・あぁ、でも確か変なクスリ飲んだせいだとか言ってたか?」



思い出すようにそう言ったおじさんの言葉に、思わず目が丸くなる。

えっ!? じゃあ、まさか・・・!?


みんな同じ事を考えたらしい。フォルが深刻そうな顔して呟いた。



「変なクスリ、か。これはちょっとこの人に詳しい話聞く必要があるね。」


「あぁ。・・・偶然だが、ある意味ちょうどよかったのかもな。」


「方法はどうかと思うけどね。」



僕が口を尖らせながら言うと、フォルは目を逸らすように空を見上げる。

おじさんは意味が分からないと言うように首をかしげたけど・・・・ごめんなさい、こっちもいろいろあるんです・・・。


そしてフォルが仕切りなおすように咳払いをして言う。



「ま、まぁ今それは置いといて・・・。

おじさん、とりあえずその宿に案内してくれないかな?」


「ん? あ、あぁ。そうだな。・・・こっちだ、ついて来い!」



おじさんはくるっと回ると人ごみの中に向かって歩き始めた。

僕らもそれについて行く・・・けど頭の中はニーソクさんのことで一杯だった。

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