どないすんねん会議
フォル編はもうちょっとだけ続くぞ!
「んぁ・・・? 朝からどうしたぉ・・・。」
「ニーソク! どうしよう、二人が・・・ッ!」
「二人・・・? どういうことだお・・・?」
「ほらコレ! 見て!」
私の叫びで目を覚ましたニーソクに携帯を突きつけ、送られてきたメールを見せる。
醒めない頭で携帯を受け取ったニーソクだけど、メールを見るなりぐんぐん血の気が引いていった。
「なっ・・・なっ、えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」
「ほら、そうなるだろ?」
「いやどういう状況だお!? なんで、どうしてこうなったんだお!」
「さぁ? でもまぁ・・・街で別れた後に何かあったんだろうな。」
「お、俺のせいかお・・・うぅ・・・。」
ニーソクは泣きそうな顔になってしまった。
うー・・・なんとか言って励ましてやりたいけど・・・。
「おーい、今すごい声が聞こえたんだが・・・」
「おじさん!」
どうしようかと思っていたら、ひょこっと扉を開けておじさんが覗き込んできた。
あっ、おじさんたちにも迷惑かけちゃったな・・・私が頬をかきながら何て説明するか考えて始めると、ニーソクがおじさんに泣きそうになりながら飛びついた! あっ!?
「ど、どうしたらいいんだお!?
俺のせいで、二人が・・・・・ッ!」
「うぉっ!? 何があった!?」
「あー・・・えっと・・・うん。
ニーソク、とりあえず落ち着こう? ね?」
「譲ちゃん、これどういうことか説明をーーーーッ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「わーっ!? 泣かないでよニーソク!
私も悪かったから! ニーソクだけ悪いわけじゃないから!」
「とっ、とりあえず二人とも下に来い!
簡単だが飯も用意してやるから! 落ち着けよ、なっ!?」
その後、私とおじさんの必死の説得で、なんとかニーソクは泣き止んだ。
一度泣くと面倒くさくなるタイプかコイツ・・・!
☆
「・・・・・・・・・・あー、なるほどなぁ・・・・・。」
周りの人に驚かれながらも下へ降りて食堂に入ると、昨日私たち(特にニーソク)にいろいろしてくれた従業員さんがパンとスクランブルエッグを出してくれた。素朴ながらもおいしかった。
そして私たちが食べ終わると皿を片付けて、新たにお茶を出される。
少し大きめの机に私とニーソク、おじさんと従業員さんが前みたいに向かい合って座り、出されたお茶を飲みながらアル君たちのことを話したのだった。
「・・・それで、お二人は無事なんでしょうか?」
「それは大丈夫だと思うな。メールを寄越してこれるくらいに余裕はあるみたいだし。
ただ今助けようと思うなら、二人がどこにいるのか分からないってのが問題だなぁ。」
「フルーレティの家か、ベルガモットの隠れ場所か。
・・・昨日の話じゃ、どっちも危険なんだよな?」
「フルーレティ家は言うに及ばず、ベルガモットも仲間がいくらかいるらしいからね。
もっとも、ベルガモットの方は騎士が数人いる程度だろうけど。フルーレティ家は立場的に、かなりの護衛がいそうだよね。」
「まぁ、そうだろうな。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
それっきりみんな押し黙ってしまった。
そんな空間に耐え切れなくなったのか、はぁーっと大きくため息を吐いておじさんが半ば呆れたように話しだす。
「・・・・・お前ら、俺たちが何を言ってもどうせ助けに行くんだろうしな。
仕方ねぇ、教えてやるよ。」
「??? おじさん、何言ってーーー」
「フルーレティ一家のいる場所だけなら知っている。」
「えっ」
本当に? なんで!?
「あいつら、今じゃ貴族街の奥にある一番デカイ屋敷に住んでるぜ。
騎士の数はまぁ・・・軽く見積もっても上位の者が100はいるだろうな。それでも行くか?」
「もちろんだ・・・ッ! むしろ100なら少ない方ッ!」
「俺も! そりゃ怖いけど・・・助けたいんだおッ!」
身を乗り出す勢いでそう言う。
その意気やよし、おじさんはニヤッと笑って詳しく話し始めた。
話はちょっと長かったからまた後で話すとして・・・よしっ、とりあえず戦闘準備をしようか!




