ここまでのあらすじ2
キャラクター説明回。
次から話が進んでいきます。飛ばしてもいいのよ?
草原の入り口には大きな木が何本か立っていた。
スヴァルトアルファヘイムがあるのはこの草原の中央なんだって。草原の街らしいよ。
そして僕らはそこで休憩がてら座り込んで、これからのことを確認をすることにした。
魔法をでサンドウイッチと飲み物、あと大きな地図を出す。
それをモゴモゴと頬張りながら、地面に広げた地図を指差してフォルが話し始める。
「私たちが今いるのがこのあたり。
で、騎士達が吐いた通りなら新王都はこの街、スヴァルトアルファヘイムなんだけど・・・。」
・・・そういえばまだ紹介していなかったね。
この少女が魔法使いのフォルセティ。
僕らはフォルって呼んでいる、腰まで届く長い青の髪と珍しいオッドアイが特徴的な女性だよ。
彼女は『本の魔法』というとても珍しい魔法を使う。
その魔法は例えば本の中の世界を自由に出入りしたり、本から何かを出したり出来るんだけど、詳しい効果は本によって変わるらしい。
要は本さえあれば大体なんでも出来る魔法だ。チートかな?
そして実は、僕も彼女の魔法で呼び出された者の一人だったりする。
彼女の『世界から勇者抜いたらどうなるのか』という実験のために呼び出されたんだ・・・ってそうだ、まだ僕も自分の紹介をしてなかったね?
はじめまして、僕はアル。
フォルに『アースガルド冒険譚』から呼び出された勇者です。
魔王に攫われた姫様は見捨てました、きっと今もオークさんたちとイイコトしてるんじゃないかな?
あっそうそう、実はこの本に登場する者には名前がついていないんだ。
えーっとつまり・・・例えば、僕は『勇者』と呼ばれていたけどそれ以外の名前が無いんだよね。
だけどそれだと不便だから、ってフォルが僕に『アル』付けてくれたんだ。未来への憧れなんだって。
・・・さて、そろそろ話を戻そうか。
地図を指差すフォルは珍しく困ったような顔をしている。
ん、何か問題でもあるのかな?
そんなことを考えていると、同じようにサンドイッチを頬張りながら地図を覗き込んでいたバルが呟く。
「・・・かなり遠いな。このまま歩いていたら何日かはかかるだろう。」
「えっ、そうなの!?」
地図とか見たこと無いからよく分からないけど・・・えっ、そうなの!?
僕の隣に居るガタイのいい青髪の青年、バルフ(僕らはバルって呼んでるけど)は『僕がアースガルド冒険譚から』呼び出した人だ。
実は僕も『アースガルド冒険譚』限定で本の魔法が使える。
でもまだ上手く扱えなくて、彼はあるとき僕が偶然呼び出してしまったんだ。
ちなみに彼の名前バルフっていうのもフォルが付けた名前で、意味は雪。
そしてこの人、なんと実は魔王様である。
今は人間の青年の姿をしているけど、本当の姿は大きな竜なんだそうだよ。
・・・今の僕にはそんなのに挑む度胸ないです、誰か僕の代わりに勇者やって倒してくれないかな。
さて、また話を戻そう・・・フォルはバルの言葉に頷いて話を続ける。
「うん。まぁ最初っから分かっちゃいたけど、やっぱかなり遠いんだよね。」
「じゃあなんで僕らこんな軽装できたの!?」
僕は思わず大声を出して叫ぶ。
でも本当に全員軽装なんだよ!? 国に楯突くってのに鎧もつけていないし、大きな荷物も武器も無い・・・って今まで気にしなかったけど、冷静に考えたらおかしいよねコレ!?
そんな僕のツッコミに一瞬驚いていたフォルはすぐに笑って答える。
「いやー、魔法使えるからいいかって思ってさ。
しかし、まさかここまで遠いとはね! 街の外なんて出たこと無かったから知らなかったよ!」
「笑い事じゃないでしょうが!? ・・・はぁー。
・・・もう、これからどうするのさ・・・。」
「はいほうふふぁっふぇ。はぁんふぉふぁんふぁえふぇはるふぁら。」
「うん、とりあえず飲み込んでから喋ろうか。何言ってるかさっぱり分かんないんだ。」
「(ゴクン)大丈夫だって、ちゃんと考えてあるから。」
ニヤッと笑いながらフォルは言い直した。
・・・なんでだろう、すっごく不安だ。
もうちょっと詳しい設定。
フォル・・・17歳。大空のような青色の髪。
オッドアイは確か右が緑、左が青色だったと思う。
アル ・・・15歳。夕焼けのような赤い髪をしている。
特に変わった設定は無いです。
バルフ・・・人間で20歳くらい。深海のような青色の髪。
本気だすと赤い目に変わります。竜だと赤い目の黒竜になるからです。