ニートの家庭事情
ここからしばらくフォルたちのターン!
あと書いてたデータ消えました! パソコン重くなってきたし! 泣きたい!
スタスタッと軽く屋根を飛び越えていって、辿りついたのはニーソクの家!
そこは意外にもこじんまりとしたレンガ造りの家だった。
家の周りを低い石のかこいが囲み、脇にある小さな庭・・・家庭菜園かな?には色とりどりの草花が咲いている。
・・・なんていうか、らしくない。ここはまるで物語の魔女が住んでいるみたいな家だ。
どういうことだと不思議に思うと、ニーソクが焦ったように言い訳を始めた。
「ここには昔、おいらたち家族みんなが住んでいたんだお。
おいらのトーチャンは立派な研究者だったお。おいらはよく分かんなかったけど、あの人はとっても優秀な人だったらしいお? だからおいらは今までお金に困ったことはなかったんだお。
あと、この家はカーチャンの趣味らしいお。庭には薬草とか綺麗な花が咲いてるお!」
「??? なるほど。
でもなんでそんなに焦ってるのさ? 別に焦る内容でもないだろう?」
「えっ・・・!? そ、それは・・・その・・・。」
ニーソクは指をクネクネといじりながら黙ってしまった。
なんだか必死に言葉を探してるように思える。・・・なんでだろう?
「うーん、気になるけど・・・まぁいいか。それで、そのご両親は?」
「・・・・・・おいらがニートになった瞬間に出て行ってしまったお。
今ではこの家に住んでるのはおいら一人だけ・・・だから何も気にしなくていいお。」
「あっ・・・・・・・悪い。」
ニーソク、ご両親に捨てられてたのか・・・。仕方ないと言えばそうなんだけど、少し可哀想だ。
両親がもう居ないと語ったニーソクはなんだか悲しそうに見える。
「「・・・・・・・・・・・・・・。」」
どうしよう。なんだか空気が重くなってしまった。
あー、でも黙っていても仕方ないよね! 私は無理に笑顔を作って話し始める。
「まぁ、まだ私みたいに死んだわけじゃないんだし! いつか会えるって!」
「・・・そうだお、いつかは会えるおね・・・って、えっ?
青髪さんのご両親はもう死んでるのかお!?」
「あっ。あー・・・うん。まぁね。
私がまだ子供の頃の話だよ。7歳だったから・・・今から10年も前か。
ある日突然二人に船の旅行券が届いてさ、私は一人で家で待ってたんだけど・・・。」
「・・・帰って、来なかったのかお?」
「・・・うん。毒死だったってさ。
たまたま二人の飲んだスープに有毒なのが入ってたとか言ってたかな。当時の私にはさっぱりわかんなくて、詳しいことは今でも分からないんだ。」
「・・・・・そうだったのかお。」
・・・・・・・・・・・・。
再び重い沈黙があたりを包む。
あーもう、なんで言っちゃったかなー!?
こんなこと、今まで誰にも言ってないのに! こんな空気になるなんて分かりきってたのに!
もう! 後悔しても遅いか! 仕方ないか!
私はパンッと手を叩いて、今度こそ空気を変えるように言った。
「もうこの話やめよう!
さぁさっさと家に入ろうよ! 追っ手が来ちゃうかもしれないんだからね!」
そのまま私は早歩きでドアの前まで移動する。
ドアには鍵がかかってるかと思ったけど、そんなことはなかった。それじゃ、さっさと中に入らせてもらおうか。