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ルート分岐点

バルとフォルはお互いに信頼しあってるのです。

次回からしばらくフォルが主人公です。

僕ら四人は街を駆け抜けていく。

街の人たちが何事かと僕らを見たけど、そんなこと今は気にしてなんかいられない!



「ニーソク、この街ってどうなってるの!?」


「えっと・・・この街は草原のど真ん中に無理矢理作られた街だお。

だからかは分からないけど、この街は大きな丸い形になってて中央に噴水広場があるお。

で、今おいらたちが走ってるのが、そこから四方に通ってる大きな中央大通りだお!


北は貴族街で、シュピーゲルや王様もここにいるお。

東は住居区、一般市民たちの家が並んでるお。

西は工業地区で武器とか作ってるおね。

南が今おいらたちがいる場所で、商業地区だお!」


「えっと・・・じゃあ噴水広場までは、この大通りを真っ直ぐ行くしかない感じなの?」


「そうなるかお? なんだったらぐるっと街を一周してもいいお?」


「うーん、私たちはこの街に詳しくないし、戦うことを考えたら大通りを通った方がいいと思うかな。」


「そうだな。・・・連中が入って来れなさそうなのは、北か西あたりか?」



そんなことを言いながら、僕らは真っ直ぐ前に向かって走り続ける!

貴族街か工業地区か。どちらに行くかはその時次第かな?


そしてやっぱり大通りは人が多い。さらに今は昼間、つまり一番人が多い時間だ。

街の人につっかえながらもしばらく走っていると、後ろのほうから声が聞こえてくる。



「ニーソク! どういうことなのよ! 説明しなさいよーーッ!」


「ねぇどうして私を見てくれないの・・・? あなたの周りには女が多すぎる・・・消しても、いいよね? 仕方ないもんね?」


「待ちなさいニーソク! また浮気なんて許さないわよ!」



振り向いて見ると、やっぱりというか何と言うか、大勢の女の子達が走って追いかけてきていた!

数は・・・うーん、50はいそうかなって多い!


僕は前に向き直って、走るスピードを上げる。

だけど、なんと前からも大勢の女の子たちが僕らに向かってきていた!


まずい、挟まれた! 僕らは全員慌てて立ち止まって、持っていた武器を構える。

でもここで攻撃なんかしたら、街の人にもあたっちゃうよね・・・。

フォルが苦しげな顔をしてニーソクさんに叫んだ!



「ニーソク、今どの辺り!?」


「噴水広場まで、あと半分くらいってところだお!」



じゃあもう噴水広場に向かうのは無理か・・・!

でも他に向かう場所が思い浮かばない・・・僕らはこの街について知らなさすぎる・・・ッ!


冷や汗を垂らしていると、前方から走ってきた女の子達が飛びかかってきた!

僕らはそれをなんとか横に飛んでかわすけど、続けて後ろからも襲われる!

それをギリギリかわすけど、女の子たちは次々と僕らに襲い掛かってくる。

だけど大きな攻撃は出来ない。どうすれば・・・!



「どうするお!? このままじゃジリープアー(徐々に不利)だお!?」


「くっ、流石にこの状況はちょっとまずいかな・・・! 

せめて別の場所なら・・・私たちの街みたいだったなら、遠慮しなくてもいいのに・・・ッ!」



フォルの言うとおり、今は大きな攻撃は使えない。けどこの大人数相手には使うしかない。

どうしよう・・・何かないのかな・・・。

僕は必死で考えながら彼女達の攻撃をかわして、彼女達に剣を鞘ごと殴りつけてひるませる。



すると彼女がひるんだことで、彼女の後ろにある店の隙間が細い路地裏に繋がっているのが見えた。

・・・そうだ! あそこを通れば、逃げられなくても、一度に襲ってくる人数は減らせる!



そして、そのことに気がついたのは僕だけじゃなかった。バルが女の子達に向かって氷魔法を放つ。

街の人も何人か巻き込んでしまったけど、前にいた女の子たちが凍って動けなくなった!


えっ・・・こんなことできるなら最初から使ってよ!?

心からそう思ったけど、よく考えたらこの魔法は街の人も巻き込んでしまうから使うのをためらっていたのかもしれない。


本当にちゃんと街の人のことを考えてたんだなぁ。

僕はちょっと感心していると、突然バルに手を引かれた。



「えっ?」


「逃げるぞ!」



そして、そのままバルは僕の手を引いて路地裏に入っていく。

ちょっ、ちょっと!?



「二人は!? 二人はどうするの!?」


「連れて行きたいが、今は余裕が無い・・・!

だがアイツ(フォル)がいるし大丈夫だろう!」


「そんな!? でも、あっちはニーソクさんが・・・ッ!?」



よく見ると、バルは苦しそうな顔で答えていた。

・・・・・。



ごめんね、二人とも・・・大丈夫だって信じているから!



女の子が何人か僕らを逃がすまいと追ってきたけど、狭い路地裏のおかげでさっきよりは楽に見える。

でもその分狭いから戦いにくい。ここからは逃げるのがメインになりそうだなぁ。





   ☆




女の子達からの攻撃をかわしていってると突然冷たい風が吹いてきて、前にいた女の子たちを凍らせてしまった。・・・これは、前も見たバルの魔法かな?


でも女の子たちだけじゃなく街の人もいくらか凍ってしまった。そのせいでこの場所は今、軽くパニック状態だ。


逃げるなら、今しかない!



「えっ、なんなんだおコレ!?」


「逃げるよ、ニーソク!」



私は驚き戸惑うニーソクの手を引き走り出す。

走っていくのは正面の大通り。・・・正直あんまり通りたくは無いけど、仕方ない!



「ちょっ!? あの二人はどうするお!?」


「大丈夫! バルがいるし、なにより連中の狙いは私たちなんだから!」


「・・・うぅ、それもそうかお・・・。」


「諦めて腹括ろうよ。それに広いほうが戦いやすいし、なんとかなるって!」



ニーソクをなるべく安心させるように笑顔を作ってそう言った。

少し泣きそうな顔をしたけど、どうやら腹は括ってくれたらしい。ニーソクは半ば諦めたようにキリッと前を向いた。


よし! 私たちはこれからは戦闘がメインになるかな。

ニーソクは補助魔法しか使えないみたいだし、私が頑張らないとだね!


・・・・・二人とも、大丈夫だよね? 信じてるよ?

フォル&ニーソク・・・ヴァルムヘイム組

バル&アル   ・・・アースガルド組   って呼んでます。

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