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無欲の死霊使い  作者: ビスケット
かわいい幽霊
3/5

#2.祖母の遺体

 

 ―――おばあさんが亡くなられたって。

 

 一か月前。学校から帰るなりいきなり母親に言われた。涙はでてこなかったが、少し後悔した。最近は全然会えていなかった。隣町に住んているのにだ・・・。


祖母には少し苦手意識があった。それはなぜか?やはり小さな頃から幽霊の話を聞かされていたからだろう。

 ―――いや、死霊と言っていたか?まあどちらでも同じだろう。

 そもそもなぜ健吾たちが俺が幽霊に詳しいみたいな言い方をしたのか?それは祖母の影響だろう。健吾達とは小学校から同じだったが、実際につるむようになったのは中学校からだった。

 

 きっかけは幽霊の話だ。学校のグループ学習で同じ班になった時に、当時噂になっていた隣町の病院の廃墟にでるという幽霊の話を健吾が持ち出した。班のみんなが授業そっちのけで盛り上がってる所に、俺がいきなり突っ込みを入れたのだ。なぜかというとみんな幽霊に対する認識が間違っていたからだ。|(今考えるとそもそも正解があるのか疑問だが)

 僕が祖母から聞いた廃墟の話をそのまま話すと、班員はみな唖然としていたが、健吾だけは食いついてきた。


―――お前くわしいな!もっと聞かせてくれよ!


その後なんだかんだでつるむようになった。メガネとは同じクラスになったのは、高校が初めてだがすぐに仲良くなった。日和は幼馴染で幼稚園から一緒だった。ある意味健吾と仲良くなれたのは、祖母のおかげなのかもしれない。


 お通夜にはあまりでたくなかった。祖母の顔を見るのが怖かったからだ。最近まったく会おうとしなかった自分に少し罪悪感があるからだろう。結局親にも促されお通夜には参加した。


 しかし、そのお通夜の晩、奇妙なことが起こったのだ。なんと遺体が消えたのだ。お通夜が終わり朝になると祖母の遺体がきれいさっぱりなくなっていた。このことはテレビでも大きく報道され、うちにもたくさん取材にきた。まあ一週間もするとあまり話題にならなくなったが。父も最初はひどく落ち込んでいたが、今はもう切り替えている。


 そもそも遺体を盗んでそれをどうするつもりなのだろうか?骨壺を墓から盗むというのはテレビで見たこともあるが、遺体を盗むなど聞いたこともない。遺体を盗むなどハイリスク過ぎるし、仮に超かわいいアイドルだとして超狂信的なファンが盗んだのだとしたらまだわかるが、ましてや70過ぎたしわくちゃのおばあちゃんを盗んでどうこうしたいと思わないだろう。まさか祖母の体に宝の地図が刻まれているわけでもないだろうに・・。



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