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無欲の死霊使い  作者: ビスケット
かわいい幽霊
2/5

#1.学校の噂

このきつい坂を登るのはあと何回だろうか?ふと、冴島氷河さえじまひょうがはそんなことを考えながら丘の上にある学校を目指していた。


私立雛森高校。通称ヒナ高。丘の上にあるこの学校は県内有数…とまではいかないが一応進学校である。そしてこの学校はその立地上、坂がとてもキツかった。そのため自転車であがろうとすると地獄である。だからこの学校の生徒は少し離れていても、バスや徒歩を選択する生徒が多い。氷河もその一人だった。


「なに、死にそうな顔して歩いてんのよ!」

自転車に跨りながら、いきなり声をかけてきた奴の名前は佐々木日和(ひより)

彼女は自転車で登校している|(しかも坂道でも自転車から降りていない!)

毎日自転車だと足が太くなるんじゃないか?とか聞こうと思ったが、怒られそうなので自重しておいた。


「やっぱり何度歩いてもこの坂は慣れなくてさ」


「ふ〜ん。そっか、まあそうよね」

返事はとても素っ気なかった。


その後無駄話をしながら学校に着いた。

この学校着くまでにすごい労力を使うが、その分校舎はキレイで、この学校が地元の中学生から人気がある理由の一つでもある。ちなみに女子の制服もかわいい。


一階の自分の教室に入ると、片隅で健吾達がなにやら盛り上がっていた。話に混ざろうとも思ったが、チャイムが鳴ったのですぐに席に着いた。


「はいはい、早く席につけ〜」

お決まりのセリフをはき、担任の溝淵みぞぶちがホームルームを始める。

今日も何事もなく、午前中の授業も終わり、飯の時間になった。いつも通り健吾達のところに行ったら、健吾が言った。



「なあ、ヒナ校の美女の幽霊の噂知ってるか?」



金曜日の夜。それも深夜0時のヒナ高で、すごいかわいい幽霊が出るというのだ。僕は知らなかったが最近噂になっているらしく、今度の日曜にみんなで見に行こうぜ!というのが健吾の話だった。


「それで幽霊に詳しい冴島君には是非来て欲しいんですよ」

と丸山|(通称メガネ)が言った。


「残念だけど、俺は知らなよ。いうほど俺は幽霊に詳しいわけじゃないし」


「なんだよ〜氷河も知らねえのか。まあ、事前情報ない方が楽しいかもな。」

健吾がアゴをなでながら言った。


そして、メガネをずり上げながら丸山が

「それで、氷河君も来ますよね?なんでもすごい美人らしいですよ!その幽霊さん」


「まあ他にやることは勉強しかないしな。付き合うよ」


うしっ!とガッツポーズをする二人


そこへ

「ちょっとまってー。私も行きます。」

と日和が乱入。


健吾は少し考え込んだが、

「まあ日和ならいいかな」

と了承した。


「あの〜」

全員が振り向くと

「私も参加してもいいでしょうか?」

申し訳なさそうな声が聞こえてきた。


なんとそこへいたのは西条さんだった。

西条彩香さいじょうあやか。肩まであるロング。上品な言葉遣いと仕草。そしてどの男子にも平等な優しさ。見た目もさることながら、中身もいかにもお嬢様みたいな人で、男からは学校で1位2位を争う人気ぶりだ。ちなみに女子からの人気も高い。


「え?彩香ちゃんも来たいって?来ていいに決まってんじゃん!大歓迎だよ。」

と喜びを隠さない健吾。


「ちょっとー私の時と態度違くない?」


「まあまあ二人とも落ち着いて。氷河君も賛成でいいですよね?」


「ああ勿論」


それにしても意外だった。入学してから約半年、あまり関わったことがないのは、他のみんなも同じはずだ。それも幽霊見に行くという話にのっかってくるとは。単純にこうゆうのが好きなのだろうか?


「ありがとうございます。」

おしとやかに言う彩香。


「じゃあ彩香ちゃんも加わったところで、予定を確認するけど、今週の金曜日の11時半に校門の前に集合で!」

と上機嫌の健吾が言った。


「そういえば、素朴な疑問なんだけど警備員とか平気なの?」

と日和。


「ああそこに関しては、対策をを考えてあるので平気ですよ」


なにやら丸山に考えがあるようだ。



結局五人で美少女探しに行くことが決まった。






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