表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/35

魔王はその時 2

さて、一緒に行くのはいいのじゃが、なんでジュンは動かないのじゃろ?

不思議に思い


「ジュン?ここで突っ立ってるのもあれじゃし、まずは適当に歩かんか?」


と聞いて見ると


「それもそうだな。まずは適当に歩いて落ち着ける場所でもさがすか」


なにも考えていなかっただけか。早まったかもしれん・・・。でも、妾はこのジュンという男に付いていくと決めたのじゃ。


「うむ!そうと決まれば出発じゃっ!」


それから少し経ってジュンが


「そう言えば、スミレって魔物と戦えるのか?」


そんなことを言ってきた。正直馬鹿なんじゃなかろうかと思う。だって妾は12とはいえ魔王じゃぞ?だというのに、こともあろうか戦えるのかじゃと!?


「ジュン・・・御主は妾を馬鹿にしてるのか!?妾は魔王じゃぞ!」


半ば怒りながら言うと


「そ、そうじゃなくてだな」


と、考えを話してくれた。同じ種族と戦えないかもしれないと思っとたのか・・・。だったらもうちょっと言い方があるとも思ったが・・・ま、まぁ、一応心配してくれたみたいじゃから許してやるのじゃ。べ、別に嬉しくなんかないのじゃよ?


「なんじゃ。そういうことは先に言うのじゃ。馬鹿ものが」


気がつくとそんなことを言っていた。心配してくれたというのに・・・妾の馬鹿者・・・


「そ、それで実際のところどうなんだ?戦えるのか?」


ああ、話しの最中じゃった。



「別に問題は無いぞ?むしろどんとこいって感じじゃ。」


別に嘘は言ってない。


「でも、同種族の奴だぞ。殺したりもするんだぞ?」


だというのに信じてくれない。むぅ・・・


「だから問題無いって言っておるじゃろ?だいたいあっちは殺す気で来てるんじゃ。だったらこちらも相応の覚悟で挑まなくては失礼というやつじゃろ」


この考えは本とか読んでいた時にいつも思っとったことじゃ。


「だが、しかし・・・」


それでもジュンは納得しようとはしない。だったら・・・


「う~む、わからんやつじゃな・・・。じゃあ、何か?ジュンが12だとして同じ人間に殺す気で迫られた時、同じ種族というだけで殺されろというのか?」


「それは・・・」


ちょっとキツイ言い方になってしまったがしかたない納得してもらう為なのじゃ。


「わかったよ。だけど気分が悪くなったらすぐ言えよ?それが条件だ」


気分が悪くなったらすぐ言うという条件で納得してもらえた。ほんとにジュンは心配性じゃなぁ。でも、不思議と悪くは無いのじゃ。


「まったくジュンは心配症じゃの~。でも心得たのじゃ。もし気分が悪くなったらすぐジュンに言う。これでよかろう?」


「OK。それでいい。」


ん?今のお~けぃ~とはなんなのじゃと思ったその時、頭に手が乗せられ頭を撫でられた。こ、こやつまたか!!


「や~め~る~の~じゃ~」


悪い気はしないが恥ずかしいのじゃっ!


手が離されたのでさっき抱いた疑問を聞いて見た。


「と、ところでジュン。さっきのお~けぃ~とはなんなのじゃ?」


「ああ、OKっていうのは俺のいた国のわかったとかそういう意味の言葉だ」


ほぉ~、ジュンがいた国か興味あるのじゃっ。


「ジュンがいた国か?それは面白そうじゃっ。もっと詳しく話すのじゃ~」


だから聞きたいと思ったのじゃが・・・


「駄目だ。今は落ち着けるところを探すのが先だろ?」


一瞬で断られてしまった。そりゃ、ジュンの方にも事情があるのはわかるがそんな一瞬で断らなくても・・・


「そ、そうか・・・残念じゃ・・・」


そう落ち込んでいると


「ま、まぁ、詳しいことは、落ち着けるところについてからな」


そう言ってくるジュン、優しいのじゃっ!


「うむ、お~けぃ~なのじゃっ!!えへへ、楽しみなのじゃ~」


ほんとに楽しみなのじゃ~


「おいスミレ。」


何事かとジュンの目線を追うと、煙が上がっているのが見えた。


「うむ、妾もわかっておる。やっと休めるの~」


いつも城にしかいなかったためこんなに歩いたのは初めてじゃったから結構疲れたのじゃ。


「結構歩いたからな。疲れてないか?」


こ、こやつ心が読めるのか?


「べ、別に疲れてなんかないのじゃ」


思わず動揺してしまったのじゃ。


「なあ、疲れてるなら。ちょっと休む――――――」


そうジュンが何か言いかけた時


「ぐぎゃぎゃぎゅぎゅるぅ~」


そこにはゴブリンが3体そこにいた。しかし、問題は目だ。妾達を殺すという明確な意思のある目・・・。そんなものを見るのは初めてだった。妾はその目を見た時体が動かなくなってしまった。


「あ、あぁ・・・」


『怖い』そう思ってしまうともうだめだった。怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ


「スミレ。後ろに下がってろ。」


そう言って妾の前に出るジュン。


「おい、お前らの仲間をころしたのは俺だぜ?ほら、かかってこいよ。」


ジュンがそんなことを言う。ゴブリンを殺したのは聞いておったが、そんなこと言ったらっ!


「「「ぎゃあああああああっ」」」


案の定3体のゴブリンが襲いかかってくる。ジュンっっ!!


しかし、心配は無用だったらしい1体のゴブリンを一瞬の内に倒してしまった。

それに比べて妾はなんじゃ?あれだけ魔王魔王だの言っておきながら格下に怯えて、あまつさえ守ってもらっておる。それじゃ駄目じゃろ。足手まといにだけはなりたくないのじゃっ!!


考えている間に2体目のゴブリンが倒されていた。このままでは、怯えて終わりになるそれだけは嫌だった。

だから・・・だから最後の1体だけは妾が!!


『ダークネス・ボール』これは闇から取り出した闇を球状にして打ち出す妾の得意スキル。それを奴に放った。放ったスキルは野を駆けていき離れていたゴブリンに直撃し吹き飛ばす、そしてゴブリンは動かなくなった。


「今やったのは、スミレか?」


そして、それに気付いたジュンが妾に聞いてきた。


「う、うむ、最初はちょっと動揺してしまったようじゃが、もうだいじょぶなのじゃ」


嘘じゃ。今でも気を抜いたら泣き叫んでしまいそうじゃ。でもこれは妾の問題ジュンに心配をかけるわけにはいかないのじゃ。


それを聞き安心した顔をしたジュンじゃったが、また心配そうな顔をして聞いてきた。


「ほんとに大丈夫か?」


心配してくれるのは嬉しかったがこれ以上心配されると弱音を吐いてしまうかもしれん。だから――――――


「くどいぞ、ジュン。わ、妾は大丈夫だと言っておるじゃろ」


少しキツイ言い方をする。


だというのに、ジュンはこちらに近づいてきた。また頭を撫でるのか?今撫でられるともしかしたら泣いてしまう可能性がある。


「な、なんじゃ。また頭を撫でるのかっ!?」


だから、そう言って防ごうとする。でも――――――



「違うよ」


最初は何が何だかわからなかった。でも、全身に感じる暖かさが自分を抱きしめられていると気付かせた。不思議と安心できる胸だった。


「怖くない。お前には俺が付いている。だから怖くないぞ」


そうして、そう囁いてくるジュン。その言葉を聞いた時、妾の中で何かが切れた。


「う~ぐすっひっく、うわ~~ん怖かったのじゃ~!」


気がつくと泣いていた。人の前で泣くなんて恥ずかしいからやめたいのに目から涙が止まってくれない。

それから少しの間、妾はジュンの胸で泣いた。


「ぐす、もう本当に大丈夫じゃ。いくぞ」


恥ずかしいのでジュンに早く行こうと告げる。む、むぅ?なんか顔が熱くてジュンの顔がまともに見れないのじゃ。


「もういいのか?胸ならまだいくらでも貸してやるぞ?」


そう言ってジュンが茶化してくる。こ、この男は・・・


「う、うるさいのじゃっ。このままでは日が暮れてしまうのじゃ。さっさと出発じゃっ」


まったく・・・まったくなのじゃ。・・・ふふっ。


「はいはい、わかったよ。じゃあ、行くか」


着いた村で寝るところと食糧を貸してもらって一緒にベッドに座る。う~、眠・・・いの・・・じゃ。


少しの衝撃で少しだけ意識がもどった。


どうやらジュンもここで寝るらしい。


「お休み。スミレ」


うん、おやすみなの・・・じゃ。ジュン・・・

用事があり投稿が1日遅れてしまいました。すいません・・・

もしかしたらこういうことがまたあるかもしれませんのでご了承くださいm(__)m

次からまたジュンサイドに戻り物語を進めていきますノシ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ