異世界にこんにちは
草原で目を覚ました俺は考えていた。内容は何故自分が草原にいるのか。
ふむ、どんなに考えてもわからん・・・そもそもわかるわけないだろう。この18年間いきなりこんな草原に誘拐まがいなことされる覚えなんかない。というかここはまず日本なのか?日本にこんな広大な草原があるなんて聞いたことないぞ。
どれ、俺がなぜここにいるのか、ここは1度仮説を立ててみよう。
『仮説1何者かに誘拐された。』これの線は薄いだろう。誘拐されているとして身代金を要求できる人がいない。親代わりの道場のおじさんがいるっちゃいるがあのおじさんにそういう命知らずな要求はしないだろう
『仮説2実はドッキリ』これの線も考えづらいなだって俺突っ立ってるだけでリアクションできてる自信無いし・・・こんな俺よりも別の人を選ぶだろうと思う。それにいまどきただのドッキリでこんな大掛かりなことはしないだろう。
『仮説3これは夢』正直これが1番そうなんじゃないかと思ってたんだが頬を抓ると・・・あ、痛い!んだよな。夢で頬なんか抓ったことなんかないが、一般的には夢では痛みを感じないとか言われているし、ということはこれは、夢じゃないのか・・・はぁ~・・・
『仮説4異世界』自分で考えといてなんだが異世界て・・・無いわ~、そういう不思議なことをまったく信じてないわけでは無いが。あり得ないとも思っている。だって異世界だよ?、漫画やゲームじゃあるまいし・・・っん、ゲーム?そこで何か引っかかるものを感じた。そういえば俺がこうなる前に俺は何をしていた?確か買ってきたゲームを――――――――――――――――
「ぐぎゃぎゅぅぎゃるぅ」
そこで何かの鳴き声みたいなものを聞き俺は思わず振り返った。そこにはなんていうか緑色の子鬼みたいなのがいた。背は小さい子供くらいなのだがそれをかわいいと思わせない醜悪な顔と右手に握られている斧が一層不気味な感じを醸し出している。その姿は有名なゲームなどにも出てくるゴブリンそのものだった。
しかし、これではっきりしたことがある。仮説の1と2の線が今消えたことだ。
などと考えている間にゴブリン(仮)が襲いかかってきていた。
「ぎゃるるるるるるぅ」
「うお、あぶね」
近づいてきていた斧を寸でのところでよける。
「ぎゃぎゅっ!?」
ゴブリン(仮)は俺が避けたことに驚いているようだ。失礼なゴブリン(仮)だな。こんな攻撃すら避けられないようではあの道場では、生きていけないだろう。
さて――――――――
「殺そうとして来るってことは殺される覚悟があるってことだよな?」
まぁ、しかたないやるしかないよな・・・
「ぎゃっ!?」
そう言って俺はゴブリン(仮)の首をロックする。そして――――――――
「怨むなら、俺を狙った自分の浅はかを怨んでくれよっ」
そしてボキッという乾いた音とともにゴブリン(仮)の首が折れる。
生き物の命を絶つのは初めてだがやっぱりいい気はしないな・・・っと思い悩んでばかりもいられないか。
これではっきりした。ここは異世界であのゲームが関係している確率が高いということだろう。ん、まてよゲーム?ということは・・・
心の中でステータス確認と念じてみる。すると頭の中によくゲームとかで見るステータスが出てきた。ほんとに出てきたよ・・・。それでステータスを見てみると
カワハラ ジュン 男
LV1
種族 ヒューマン
身長 175cm 体重 67kg
強さ 500
現職業 無し
Aスキル 無し
Pスキル『格闘術』『剣術』『鉄の心』『身体強化Ⅰ』『料理の心得』
固有スキル『観察眼』『召喚』『世界無双』
ふむなるほどね、俺の灰色のゲーム脳細胞からしてAスキルはアクティブスキル、自分で任意に使えるスキルだろう。で、Pスキルは常時使えるパッシブスキルってところだな。あと、今覚えてるスキルは『身体強化』以外は元の世界に居たときのものが反映されているらしい。ちょっと安心した。そして固有スキルこれはルーレットで決めたスキルだな。スキルのことはだいたい分かった。しかし、この強さってのはなんだ?言葉通り受け取れば強さみたいな物なのかもしれないな。けど、この500が高いのか低いのかさっぱりわからんのだが・・・
とそこで、ゴブリン(仮)の死体が目に入った。こいつを調べればだいたいわかるのではないだろうか?幸い俺には、観察眼ていう便利スキルがあるわけだし。どれどれ――――――――
5分後、試行錯誤の結果から目に力を入れれば発動することが分かったので、早速ゴブリンを見てみる。
幸い死体でも発動してくれるらしい。
ゴブリン ♂
種族 魔物
身長120cm 体重45kg
強さ5
現職業 無し
Aスキル 無し
Pスキル『蛮勇』
固有スキル 無し
お~、やっぱりこいつはゴブリンみたいだな。やっと名前の(仮)が取れる。それにしても強さ5か・・・これはどうなんだろうな?ゴブリンって種族がものすごく弱いって可能性があるからまだ500が高いかわからないが低いってことは多分なさそうだ。一安心。
さて、一段落したしこれからどうするかと周りを見渡すが近くに町や村のようなものは無しときた・・・
このままじゃ餓死する危険性すらありまったく笑えない。・・・とここで、自分には『召喚』のスキルがあることを思い出した。このスキルで空を飛ぶ魔物、たとえばペガサスとかグリフォンなんて召喚できれば最高ではないだろうか。一回きりなのでもったいない気がしないでもないが命には代えられん。使ってみるのも手だろう。
観察眼の時と同じ要領で手に力を込めてみた。しかし、それだけじゃできなかったので召喚と叫んでみたところ手が勝手に動き光りだした。どうやら声にださないと発動しないスキルもあるらしい。
「うおっ!?」
そしてその光が地面に魔法陣のようなものを描いていく。ん?まてよ、そういえばゴブリンみたいなのも出ることもあるのか?それは、やだな。それはすごく・・・やだな。大事なことだから2回言ってみた。
そんなことを考えていたら魔法陣が完成したらしく全体が光りだした。
「くっ、すごい光だ目が明けてられないっ!」
そしてようやく光が収まり目をあけてみるとそこには―――――――――――
「く~、すやすや」
そこには気持ち良さそうに眠る女の子がいた。
「え・・・女の子?」
続きです。物語を作るのはやっぱり難しいですね。(^^;) 物語のほうですがやっとちょっとだけヒロイン的なものを出せました。さて女の子の正体は何なのか、お楽しみください。まぁ、タイトルからもうわかってる人が多いと思いますが( ̄▽ ̄;)