男の性格
「昼間に情報を集めます。本当は貴方にはここにいていただきたいが1人にすると、何をしでかすか分かりませんからね。人に預けます。」
風呂から上がった途端にそんなことを言われた。
預けますって。飼い猫かよ。
「ライ、何を知ってるの。どうして西に行こうとしてるの。」
ライに詰め寄る。
ライは剣を磨いていた手を止める。
「今はまだ言えません」
真っ直ぐに見つめられる。やっぱり狡いよ。その目に弱いのに。
「…分かった。」
フッとライが微笑する。
「貴女も成長しましたね。」
「情報をある程度得たら、今日中にはここを離れましょう。追手が来るかもしれません。」
「追手って。」
ライが磨いていた剣を水平にし確かめる。
「ただ、貴女を城に連れ戻す為ではありません。サラさま。何があっても私だけは信用して下さい。」
「…信用してるよ。」
誰より。とは言わない。
満足気にライが微笑んだ。
「貴女は1人で逃げましたけどね」
蒸し返すな、こいつ。
「すみませんでしたねっっ。ねちっこい男は嫌われるぞ!」
「‥ねちっこい‥」
朝食を食べ、宿を出た。
「新婚さん、また寄ってね」
宿の主人に笑顔で見送られる。新婚さんに見えますか、私達が。おい。
まあ一部屋を一緒に使うあたり、そうとしか思えないか。
「で、どこへ行くんだ?」
「この先にフェイという女性がいます。そこに貴女をあずけます。」
「この町に知り合いなんていたのか?」
そういえば、ライの私生活を全く知らない。しかも女性の知り合いなんて。
なんだかモヤモヤした。