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「祭りだ~!寄ってこうよ、ライ。」
リュウの家を出て3時間。さらに新しい村へ着いた。豊作祭らしく露店がいくつかある。
フルーツのジュース、サンドウィッチ、色々あって目移りする。
「また、貴女は・・・。真っ直ぐ歩けないんですから…」
溜息をつかれるのは慣れている。構わず突き進む。
「大変だ!」
「なんだい、お前さん。祭りだってのに怖い顔してさ。」
商店に中年の男が息を切らしながら入ってきた。
「国王崩御だってさ!」
ーなに?
「何言ってんだい!国王さまはまだお若いだろう⁈」
「確かだ!帝都じゃもう大騒ぎだよ!」
「…うそ。」
「サラさま。出ましょう。」
耳元でライが囁いて腕をひかれた。そのまま町外れの木の下まで連れていかれる。
「サラさま、よく聞いて下さい。貴女は国王の妹君。それをこれから絶対知られてはいけません。お命に関わります。」
両肩を支えられる。
「帰らなきゃー。」
「なりません。」
走りだそうとするのを腕を掴まれて阻止される。
「ライ!離して!」
「駄目だ!」
ライがこんな大声を出すなんて。
アル兄様ー。
どうして。