74話 確信
「ライト、カレン連れてニーニャんとこ行ってき。」
「わかりました。カレンさん、行きましょう!」
カレンは頷くとライトと共に図書室を出た。
「どうやら、魔導書はここにあるみたいだね。」
「どうしてそう思うんだ?」
「さっきも言った通り、魔人は魔力が高いところに集まってくるんだよ。ここに、こんなに沢山集まってくるってことは、この部屋のどこかにあると思うんだよね。」
「なるほどな。ウィル、リン二人の魔力探知で魔導書探してくれ。」
「了解〜!私奥から見てくる!」
「わかりました。」
ウィルとリンが他のみんなから少し離れると、入口付近にいた魔人たちが次々とテオの方に向かって走り出す。
テオは傘で魔人たちを振り払う。
「どんどん来るな。」
「せや、でも場所が悪いわ。」
「本だし、全部燃えちゃうよね。」
「え、うん。せやな。」
「もしかして、俺も雷使うのまずいか!」
「全部燃やしちゃってもいいなら別なんだけど、ここの本だけじゃなくて、この屋敷全部燃えちゃうかも?」
「それはまずいですね。この屋敷が燃えてしまえば、近隣住民にも被害があるかもしれません。」
メグは手のひらサイズの地球儀のような物をとり出す。
「魔法は私に任せてくれませんか。」
「おう!頼んだぜ!」
「こんな小さい女の子に任せて大丈夫なの?」
「メグなら大丈夫や。」
「なんたって、メグはあのトヤヘリノの妖精王リリィ・サフィーライトの一番弟子だからな!」
メグは一歩前に出ると、地球儀のようなものを宙に浮かす。
「リンさんとの特訓の成果、ここで見せなきゃ!」
メグの周りの床や本棚に霜が降りる。
ライトはカレンを連れて、三階にいるニーニャのところに戻る。
三階に上がると、そこにも魔人で溢れていた。
「ニーニャさん!」
「ライトさん、カレン、下の階は大丈夫でしたか。」
「下の階にも魔人が来ていました。マスクをした人が魔人は魔力が高いところに集まると言っていたので、魔導書は多分二階にあります。」
「わかりました。では、ここを片付けてから二階に行きましょう。あなたも手伝ってくれますよね。」
ニーニャはザックの方を見て尋ねる。
ザックは少し微笑みニーニャの前に出る。
「いいよ。君の頼みなら。」
ザックは腰に隠していた銃を取り出し、魔人たちに向ける。
弾を打たれた魔人は倒れて悶えている。
倒れた魔人は何かをぶつぶつと言っていたが、魔人の言葉なのだろうか。俺には理解できなかった。
しかし、これでわかったことがある。
フォンシーレの地下倉庫でソレイユが喰らったのはこの銃弾だ。




