61話 記憶と空間
「俺の能力って複数あるのかな。人形の光が言ってた感じ能力もお助けアイテムも一つなんだけど。」
「お前の能力は一つだぞ。」
「物の記憶を見れるのは能力じゃないってこと?」
「いや、それも空間魔法を見る能力の一部だ。」
俺が首を傾げると、ダイヤが続けて説明してくれた。
「記憶に関する魔法は空間魔法に仕組みが近いんだよ。
例えば昨日お前がりんごを食べたとしよう。けれど、俺がお前の記憶を消したいってなると、その”昨日お前がりんごを食べた記憶”という空間を切り取って削除するんだ。」
「過去にあった出来事という空間を消してしまうんだね。じゃあ、魔導書の記憶って…。」
「それは過去の空間を魔導書に織り込んでいるんだろうな。意図的なものかはわからないが。」
「なるほど。魔導書もシルファーを封印するときに使ったものだとすれば、古いものだしね。」
空間魔法という種類は範囲が広いようだ。
これ…かなり優秀な能力なのでは!?
でもあの人形の光が言っていた”みんなをつなぐ”ってどういうことなのだろう。
考えているとダイヤと目が合う。
「まぁ…いい能力なのは認めるが、問題はザックにその能力がバレてしまっていることだな。アイツは絶対に対策を考えて来るだろう。十分注意するんだぞ。」
「わかった。使いこなせるように頑張るよ。」
俺は部屋を出て外に出てダイヤに言われて目を凝らすと、とても細かい繊維のような膜が見えた。
それを横目に寮へ戻り、その日の幕を閉じた。
次の日の朝、寮から出て食堂に入ると昨日と違う雰囲気がする。
どうやら、ダイヤが行っていた通り、城の防衛魔法が張り直されているようだ。
俺には見ることができないが、城のシステムが以前と変わったことはわかった。
「どうだ?一度全部張り直したんだが。」
いつの間にか俺の隣にダイヤがおり、俺に話しかける。
「新しい感じがする。当たり前かもだけど…。」
「そうか。俺、今から学校だから、俺が城を出た後どうなったか教えてほしい。」
「わかった。気をつけてね。」
城を出た後のことを聞かれたから、設置型魔法の方も張り替えたのだろう。
設置型の方は見えたことがないし、古くなっているという城の防衛魔法もダイヤに言われて、目を凝らさないと見えなかった。
ダイヤの空間魔法はザックのものと違い、細かく丈夫なのかもしれない。




