6話 twinkling candy
ゲストルームのドアがノックされ、クロムがどうぞと言うと猫の青年がドアを開けた。
開いたドアの先には10歳ほどの少年がいた。紫がかった黒髪にアメジストをはめ込んだようなな紫の目、長くとがった耳はとても特徴的だ。
「や、やあダイヤ」
クロムは少年に目を合わせない。
どうやらこの少年がダイヤのようだ。書物に詳しいと聞いていたからなんとなく、老人のイメージだったが本が好きな少年もいるだろうと状況を飲んだ。
ダイヤはクロムが座っている椅子の後ろを通り、彼の隣に座った。行動からクロムに腹を立てていることがよくわかる。
「こ、この人が魔導書について知りたいって言っているライト、」
俺は軽く会釈した。クロムは冷や汗をかいている。
国の王が恐れるこのダイヤという少年はいったい何者なんだ。そう思っているとダイヤが口を開いた。
「ダイヤだ。待たせてしまってすまなかったな。」
そう言ってダイヤは手を出し、握手を求めた。俺はそれに応じて彼と握手した。ダイヤの手はとても冷たかったが、なぜか俺の心には温かく感じた。
ダイヤの目が俺の持つ魔導書を見た。彼の眉間にしわが寄った。クロムもそれに気づいたようだ。
「魔力を持たないライトが魔導書を待っているのはおかしいと思って連れてきたんだ。ダイヤなら何かわかるんじゃないかって。」
「お前、これをどこで手に入れたんだ。」
ダイヤと目が合った。
「この世界に来る前に不思議な人型の光からもらいました。お助けアイテムだって。」
俺は正直に答えた。ここで嘘をつく必要がないと思ったからだ。
「異世界人か、それにお助けアイテムって…」
ダイヤが腕を組みつぶやいた。しばらくしないうちにダイヤはまた俺の目を見た。
「お前が異世界人であることはここにいる四人だけの秘密だ。異世界人の話であまりいいものを聞いたことがない。西の国が関わっている可能性がある。」
そういうとダイヤは猫の青年を見た。猫の青年はうなずくと、ゲストルームから出て行った。
「その人型の光も気になるが、まずはお前に魔導書の説明をしなくちゃだな。」