56話 再び
すっかり日が落ち、俺達それぞれの稽古も終わった。
「おつかれ〜。今日はここまでだな。」
「明日も頑張ろ!」
「はい、、」
新人三人はヘトヘトになっている。
結局今日もソレイユに追いつけなかった。(スピードも実力も、)
俺達五人は訓練場から城に戻ろうと、城の庭園を話しながら横切っていると、視界の隅に何かが入る。
みんな何か異変に気づいたらしく、立ち止まり”何か”がある方を向く。
そこにあった、いや、そこにいたのは銀髪の青年ザックだった。
「あ、こんにちは。久しぶり?だよね。」
五人全員が武器を構える。
俺の手は少し震えていた。
「おっと、そんなに身構えないでいいよ。俺は会いたい人がいてここまで来たんだよ。」
「五番隊が気づいてない。どうなってんだよ。」
「私の魔力察知が反応しなかった。彼が自身に魔法をかけているのかも。」
「じゃあやっぱりアイツは…」
ソレイユとリュンヌは小さな声で話し、前に出る。
「ねぇ、コソコソしないでもらっていい?俺は案内してほしいだけ。」
「誰が案内するかよ。」
「アンタ、ソルより頭に植物が茂っているのね。」
ソレイユが情けない顔でリュンヌを見たが、すぐにザックの方へ向き直る。
「また君たちと戦うってことかな?」
「今回はテオと私がチェンジしているから、全く同じにはしないわよ!」
そう言って、リュンヌは何かを高く投げる。
それは空の高いところで弾け、花火のように大きな音をだして、光を放つ。
城内の人に状況を知らせるためだろう。
「これで応援が来るはず。」
「それはどうだろう。」
俺は周りを見渡す。
ザックの半径十メートルくらいに幾何学模様の膜が張ってある。
「何か魔法の膜のようなものが見える。もしかしたら、空間魔法でこの膜内は外から見えないのかも。」
「やっぱり!君、前にあったときからいいと思ったんだよ。設置型魔法のトリガーが見えるやつなんて会ったこと無いからな。」
「ライト、やっぱりそうだったのか。」
「ど、どういうこと。」
「俺、前に魔導書探しに行ったときにいくつか疑問があって、ダイヤに聞いてみたんだ。設置型魔法と空間魔法のこと。
あまりよくわからなかったけど、設置型魔法のトリガーは複雑な空間魔法で隠されているから、専用のレンズとかの魔法ツールが無い限り見ることができないらしい。」
「なんでだろう。俺と一緒に考えるか?」
「ライトは俺の部隊の一人だお前なんかに渡さないぞ。」
ソレイユがそう言うと同時に、ザックの手がソレイユに伸びる。




