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元の世界に帰るために本探してみた!  作者: 紅葉
第三章  それぞれの関係
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42話 鳥は風に乗って。

次の日、ダイヤはフォンシーレの西ゲートでシェムを待っていた。


「時間通りに来るなんて、珍しいですね。おはようございます。ダイヤさん。」

「さすがに王様待たすのは悪いと思ってな。

…気をつけろよ、俺が西の国に最後に入ったのは何十年も前だ。」

「はい、でも私はあなたがいれば安心です。アルクスさんもきっと同じような気持ちだったんでしょうね。」


シェムは柔らかく微笑む。


「頼りにしていますよ。」

「了解だ。」


二人はゲートをくぐり、西の国の城へ向かう。










ダイヤとシェムは西の国の街を進む。


「見ない間に随分発展しているな。」

「やはり、大きな国の中心部は人が多いですね。」

「国の端までこのくらい賑やかならいいんだがな。」


しばらく進むと西の国の城が見えた。

城の門の前には門番が立っており、門の前で一度止められてしまった。


「ハニスさんに今日伺うと言ってあるんですが。」

「たとえ、南の国の王と純血の魔法使いであっても、私はいらっしゃると聞いていないので、お通しすることは出来ません。」


ダイヤは門番の目を覗き込み、顔を曇らせる。


「シェム。ハニスはこの門番に俺らを通さないように伝えているぞ。」

「どういうことですか!?」

「見られちゃならないものが中にあるってことだよ。」


ダイヤはそう言うと、門に触れる。


「この城の中にデイヴィッドはいないみたいだな。」

「見えているんですか。」

「俺の実力を舐めてもらっちゃ困るな。多分、重要な情報を持っているんじゃないか。

門番のお兄さん、俺らを通さない理由教えてもらえるかい?」


ダイヤは門番に近づく。

門番は一歩、また一歩と後ずさりし、門に背中が着いてしまった。

門番が何か言いかけたところで、ハニスが現れ門が開く。


「いやぁ、思ったよりも早く着いたんですね。」

「ハニスさん、門番の方に私たちを入れないよう頼んだのはどうしてですか。」

「ちょっと試したかっただけだよ。純血の魔法使いをね。この国にはいないからさ。」

「お前が嫌で出ていったの間違いなんじゃないか?」


ハニスは声を上げて笑うとダイヤの方に近づく。


「それはどうでしょうね。さぁ、中へお入りください。」





ダイヤとシェムは怪しみながら、城の中に入り、応接間に通された。


「あの門兵のことは許してやってくれ。俺の言う通りにしただけで、彼は何も悪くないよ。」

「…シェムやはりこの城にはいない。が、近い。」


ダイヤの言葉に驚いたシェムとハニスは目を見開く。

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