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元の世界に帰るために本探してみた!  作者: 紅葉
第二章  東の国軍と銀色
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29話 銀が動く道

クロムは部屋の柱時計を見る。


「じゃあ、そろそろ僕も出かけようかな。」

「どこに出かけるんですか?」

「四カ国交流会議だよ。実質三カ国だけど。」

「いつか来てくれますよ。」


クロムが上着を着ながら尋ねる。


「サイモンさんは会ったことあるんだよね。」

「ありますよ。」


サイモンはティーカップに目を落とす。


「長い準備が必要なだけだから、待ってあげてくださいね。」

「そのつもり。」


クロムは微笑んで出かけていった。


「クロム様はダイヤをだいぶ信頼しているみたいだね。

僕なら自分がいないお茶会を自分の部屋で開かれるのは嫌なんだけど。」

「自分の部屋だってこと忘れてるんじゃねぇの?」

「え、そんなことあるの?」









その頃フォンシーレの地下倉庫では緊張が走っていた。

木のドアがガチャりと開き、軍服のようなものを着た銀髪の青年が入ってきた。

魔導書を探していた俺達はすぐに青年から見えない位置に隠れた。


「もしかして管理者ですかね。」


俺は隠れた棚から少し顔を出して小さな声で尋ねる。

銀髪の青年は何かを探すようにキョロキョロしている。


「分かんないけど、軍服みたいなん着てるから違うんじゃね?……あれって、西の国の軍服だ。」

「ほんまや。なんでこんなとこにおるんや。」

「西の国…テオさん、ソルさんかなりまずいかもしれないです。」

「せやな、ウィル。一応ダイヤに連絡しよか。」


そう言ってテオは小さな水晶を取り出すと、何かが飛んできた。

水晶は粉々に散ってしまった。

何かが飛んできたであろう方向に顔を向けると、あの銀髪の青年が立っていた。


「やはり誰かいたか。獣臭いと思ったんだよ。お前ら誰だ?」


銀髪の男は銃を持っている。

俺は体がすくんだ。するとソレイユとテオが立ち上がる。


「獣臭いとはなんや。普通に傷つくで!」

「そうだぞ!お前も魔導書を探しに来たんだろ!

でも、俺達が先に見つけるからな!」


二人は腕を組んで胸を張る。


「そうか。俺はこの倉庫を三年前から探しているが、この倉庫全体にかかっている魔法のせいで見つけられないんだよ。」

「探知遮断魔法…か。」

「お前よく知ってるな。」

「俺の魔力探知も邪魔されているんで。

この探知遮断魔法の源を突き止めて停止することができれば、見つけられるかもしれません。」

「よっしゃ、じゃあやってみよか。」

「おっと、それはさせない。」


銀髪の男は銃を打ち、その銃弾がテオの横を通る。


「お前らに魔導書を渡すわけにはいかないんだよ。」

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