11話 constellation
俺が力魔法についてニーニャに尋ねると答えてくれた。
「力魔法は九割が身体強化やバフを掛ける魔法など、サブ要素が強い魔法です。ただ、残りの一割の力魔法は文字通り力を操る魔法です。重力操作が有名ですかね。」
なるほどニーニャがいることによって、審査員や受験者に魔法をかけることができるようだな。
それに、審査員の代理に選ばれるということは、それなりの実力者であるということだろう。
俺の中に不安がよぎった。危害は加えないというのは多分”物理的に”という意味なのだろう。
「ありがとうございます。」
俺は丁寧に礼を言った。
「では続きを説明しますね。医療部隊の四番隊です。この部隊は部隊の中で戦場班と城内班の二つに分かれていて文字通り医療を行います。隊長はダイヤ・スターゴート。二次試験は彼を捕まえれば、ほぼ確定で合格になるでしょうが、あまりおすすめはできません。」
ダイヤは部隊の隊長もしているらしい。あの謎多き少年の立場がますますわからなくなった。
俺も試験を受けるときは彼を避けることになるだろう。しかし、とても脚が速いように見えなかったが魔法でどうにかするのだろうか。
「最後は五番隊です。この部隊は城の防衛がメインで、こちらも戦場班と城内班に分かれています。城内班には城の執事やメイド、庭師やコックなどもここに属されます。隊長はヴァイオレット・スターゴートですが、試験の審査官は副隊長のテオ・スターゴートの予定です。種族は獣人で、属性は炎です。」
みんな同じの”スターゴート”という名前にひっかかった。
彼らはみんな家族なのか?俺が不思議がっているのにニーニャが気づいたのか、説明してくれた。
「ヴァイオレット、テオ、そして僕ニーニャはダイヤの養子なんです。血のつながりはありませんが良い家族だと思っています。」
ニーニャが少し微笑んでいるように見えた。彼は、冷たい雰囲気で怖いイメージがあったが家族思いの優しい人なのだろう。
そして、”つながり”という言葉がここでも出てきた。この世界では何か重要な言葉なのだろう。
それぞれの部隊のことや二次試験のこと、ニーニャのことも少しわかった。
あとは俺自身がどうやって戦うかが問題だ。




