101話 二人で一つ
ゴトッと鈍い音がなり、魔人の首が地面に落ちる。
話す魔人の後ろにいた魔人達は後ずさる。
「お、お前!何しやがる!」
「おぉ、まだ生きてたか。」
話す魔人の体は頭の方に駆け寄り、自分の頭を持ち上げ、ギリギリと音を鳴らしながら頭をもとに戻す。
頭がもとに戻ると、魔人達が校舎の中に入ろうと、ダイヤが入っていったドアの前に群がる。
ダイヤは忙しくて構ってられないのか、もうその場にはいなかった。
それを確認した話す魔人は怒り出す。
「あいつ!どこ行ったんだ!お前ら探せ!」
話す魔人がそう言うと、空の穴からドンドンと魔人が出てきて、無理やり校舎内に入ろうと壁や柱を壊し始める。
「うわ!何すんだ!」
「めちゃくちゃじゃん!」
「ソレイユ君、リュンヌ君、彼らを止めましょう。頼りにしていますよ。」
「任せとけ!」
「任せて!」
双子がそう言うと、校舎に群がる魔人達に向かって飛び出す。
「二人で一緒なのひさしぶりかも!」
「同じ任務でも別々だったからな!」
二人はそう言って手を繋ぐ。
「俺とリンは二人で一つ!」
「だって私たち双子だもん!」
二人が手を繋いだところからバチバチと稲妻が走る。
「呼吸を合わせて!」
「せーの!」
掛け声に合わせて二人が手を前に出すと、ビームのように稲妻が魔人の方に走り、一人の魔人に勢いよく当たる。
固まって行動していた魔人達は、次から次に感電していき、周辺にいた魔人達はみんな倒れていった。
「ん〜。範囲がもっと欲しいよなぁ。」
「確かに、後でダイヤに教えてもらおうか。」
話しいている二人の後ろに大きな魔人が近づき、鎌のような腕を振り下ろす。
それを、サイモンが彼の杖で受け止め、弾く。
「仲がいいのは良いことですが、よそ見はしないように。」
「「はーい。」」
サイモンは大きな魔人より高い位置まで跳ぶと、杖を光らせる。
「校内に刃物を持ち込むことは許されませんよ。」
サイモンがそう言うと、鋭い葉が大量に出現し、大きな魔人を切り裂く。
細切れになった魔人を、また別の魔人が踏みつける。
「きりがありませんね。」
「あの上にある穴をどうにかしないと。」
「永遠に出てくるってことか!?」
三人が悩んでいると、後ろから声が聞こえる。
「ここで、テオくんの出番ってことやな!」
テオが胸を張り、腕を組んで立っていた。
「テオ!来てくれたのか!」
「ヴァイオレットから連絡きて、すぐに駆けつけたで!
あの時空の歪みによって生じた穴について、ダイヤに言われて前から調べててん。」
「私達はどうしたらいい?」
「出てきてしもた魔人を全員やっつけといて!」
「おう!頼んだぜ!」
「任しとき!」
ソレイユとテオはグータッチをした。




