第1章・始まり
令和5年 春
「明日からもう高校生、時間経つの早すぎだろ」と俺。
「中学校の入学式が昨日に感じるぜ」と新町。
「さすがにそれはやばくない?」と高橋。
「よくわからん!とにかく遅刻すんな」と関西弁の明
石。
明日から始まる高校生活。中学校という中途半端な肩書きにうんざりしていた俺は謎の開放感を感じていた。
「毎朝竹澤に会わなくて済むのかー高校サイコー!」
竹澤は中学校にいた生徒指導の先生、あの人には何度お世話になったことか、、、
「それな!竹澤に俺らの青春を奪われたと言ってもいいもんだよなー」と俺。
「あいつガチで思い出すだけでイライラしてきたー」
「おれなんか授業中にくしゃみしただけで呼び出しくらったからな」と新町。
「いやいや、あれはお前がくしゃみのときに台パンしたからだろ。」
「不可抗力な?」
毎回こんな竹澤の話で盛り上がる竹澤ファンクラブプレミアム会員の4人組は明日の入学式にむけて早めに帰宅し、遅刻だけは回避しようと早め家に帰りに寝ることにした。
ー9時間後ー
「おっはー遅刻回避は確定〜」
「遅刻しなければ学校生活なんとかなるから」と新町。
留年しちまえ
「てか生徒指導だれだろーな把握しとかねーと」
高校生活を楽しく送るコツその1!生徒指導が誰かを見ること!
「あー、あと怒点だな」
怒点とは俺たち4人組の中で使っている言葉で要は怒りの沸点のこと「あいつ怒点低いわ」は比較的キレやすいということ。
「あー彼女ほしー」と明石。
「諦めろ、願うだけ無駄だよ」と高橋。
「相変わらず冷めてーな〜」
高橋は頭がいい、しかし馬鹿な俺らとの友情を大切にしたいという理由でこの底辺高校にやってきた、本当に頭はいいのか?と思う。
「てかテストいつ?」と新町。
新町は4人組の中でもレベルが違う馬鹿。
中学でも5教科122点である(カンニング)。俺らが来た底辺高校でさえも初めはE判定だった。
「んなこと気にすんないつ通りやれよお前は」と明石。
明石はそれほど頭も良くなく悪くもなくって感じ。ちなみに俺よりは悪いと思う。
なぜこんな頭の悪さなどの話をしてるのかはのちのち分かるはず。頭いい順で言えば高橋→俺→明石→新町って感じかな。
「入学式って、基本なんもしないけどなんか緊張せーへん?」と明石。
「なんかわかるわー、ワクワクと緊張が混ざった感じ」と俺。
「それそれ!頼むから竹澤みたいなやついませんように!」と明石。
「高校生からは留年がある。中学生の時みたいに上手くはいかないかもしれんが留年は回避して、みんなで同じ大学へ行くぞ!オー!」
みんなで目標を立てたはいいもののこれからの高校生活の内容を知って同じことを言える気はしない。