アイスー!
やっぱり次の日も魔力痛になったままだったので、今日も冒険を休む。
折角なので日本の初夏に当たる初水で暑くなりそうだからアイスを作ることにした。
初めて行く朝の市場で材料を買い、宿の人に厨房を少し貸してもらい、アイスを作る。
まず鍋にピアッシングカウの乳、砂糖、卵を入れてよく混ぜ合わせ、弱火で熱する。
次に、煮立たせないように木べらでかき混ぜながらとろみがつくまで熱する。
その後、火からおろして繊維の細かい布で濾す。粗熱を取り、バニラエッセンスもどきを加えて混ぜ合わせる。
部屋に行き、平皿で蓋をし、氷で作った箱の中に入れ、冷やし固める。
この後二時間ほど冷やすからその間に朝食でも食べるかぁ。
情報収集のためにギルドの酒場で食べよっと。
ギルドの酒場に着くと、早速干物を頼む。
待っている間に情報収集をする。
ふんふんここの真反対の辺境伯領で魔王みたいな影を見た?魔王なんておとぎ話なのに本当にいたのかなぁ?いたら討伐しないといけないし。
ふむふむ隣の領地で賊が出たんだ。えっまだ捕まってないからこっちにきてるかも?
それはやばいぃ。
あっ干物が来た!
へ〜辺境伯様が長男と長女のお披露目パレードをするんだ。私が出て行ったタイミングのお披露目かぁ。狙ったね。
ふむふむソロで活動している美少女かぁ。こんな辺境に美少女なんているんだね。そういえばルナリアさんも相当の美少女だもんなぁ。いるにはいるんだろうなぁ。
「すみません!パーティに入りませんか?」
ふぇ。私?
「え〜と私ですか?」
「はい!そうです!」
「私はソロで活動するつもりなので・・・」
「そうですか・・・わかりました」
「でもパーティで活動したくなったら入ってください!」
「はぁ」
なんで私を勧誘したのかなぁ?私より強い人なんていっぱいいるのに・・・
さてと干物を食べ終わったからいつもの森でもふもふタイムだ!
ホーンラビットちゃんかわいい〜。この世界に猫カフェみたいなの無いかなぁ?あったら常連になるのに。
「大丈夫か!?今助けるぞ!」
はぁ?どういうこと?もしかして襲われてると勘違いした?
こっちに向かってきたのでガードする。
「アイス・ウォール!」
「どうして邪魔をするんだ!?もしかして洗脳されているのか!?」
「ホーンラビットが洗脳できる訳ないでしょーーーー!」
「はっ!確かに!」
「じゃあなんでそこにいるのだ!」
「スキルの効果!」
「そっ、そうか・・・すまんかった。お詫びに奢らせてくれないか?」
「いきなり勘違いして襲ってくるやつに奢られたく無いからいい」
「だが俺の気持ちが収まらないのだが・・・」
「収まらなくていいから!」
「分かった・・・」
ふぅやっと居なくなった。
じゃあアイスを迎えにいこっか。
氷で作った箱からアイスを取り出し、厨房を貸してくれた宿の人にお裾分けをしに行く。
「女将さ〜んお裾分けです!」
「ありがとね。ん?見たことのない食べ物だね。なんだいこれ?」
「これはアイスという冷たいお菓子です!」
「冷たいお菓子なんてあるのかい?」
「はい!とてもおいしいですよ!食べてみてください!」
「どれどれ。っ美味しい!どうやって作ったんだい!」
「氷属性魔法を使いました」
「そうか・・・宿のメニューには入れられないね・・・」
「すみません・・・」
「そのかわり今度また違うのを作ってきてくれないかい?」
「それならいいですよ!」
「そうかい。ありがとね」
「はい!」
女将さんと話した後、宿に戻ってアイスを食べる。
「ん〜美味しい!でも前作った時よりはなめらかじゃ無いなぁ。濾し器を使った方がいいかな?でも濾し器なんてこの世界に無いんだよなぁ・・・」
「そもそもこの世界には細かい鉄の網なんてないからなぁ」
「頑張れば作れるかな?」
「確か、網はバッテンになった細い鉄の網を要所要所で少し重ねたらできるんだよね」
「鍛治師の人にお願いしたらできるかな?」
「とりあえず、図を書いておこう」
早速鍛治通りに着く。とりあえず数打ちゃ当たる戦法でいこっと。
一軒目、一見さんお断り。
二軒目、忙しい。
三軒目、ok
三軒目の人は忙しくもないから出来るらしい。
三軒目の人であるオリバーさんは図で説明したらその場で作ることにしてくれた。
「こんな感じで作るのか?」
「はい。そんな感じです」むわっとした熱気が顔を襲い、顔が熱い。
「見てほしいからそこに居てくれないか」
「分かりました」
「よし。こんな感じでいいか?」
「はい!ありがとうございます!」
「代金は2000ルピーだ」
「あれ?安すぎませんか?」
「ああ。ルナがよければこの網を量産したくてな。勿論発案者はルナだと書いておくから。それと無理でも代金は変わらないぞ」
「量産ならいいですよ。ルナと書いておいてくださいね」
「勿論だ」
ということで網ゲット!