女神の神殿の試験3
『全員集まったな。では、説明をする』
『まずは、ウォルの持つ魔法具についてだ』
『その魔法具は魔力を込める事で治癒の魔法が使えるようになる物よ。込められている魔力量で範囲が変わるわ』
それはありがたい。
『ルナが持つ魔法具は幻を見せる、聞かせたりする魔法を察知すると解除する物よ。魔力を入りきらなくなるまで込めないと作動しないのが欠点ね』
容量はどれくらいだろうか。
『カニーンヒェンが持つのは乗り物に変形する魔法具ね。魔力を込め続ける限り永久に乗り物のままよ』
陸、海、空どちら用だろうか。
『ラチナが持っているのは様々な武器に変形する事ができる魔法具よ。欠点は貯める事ができないから、魔力を込めながら使わないといけない事ね』
かなり集中力が必要だな。まぁ、私には必要ないが。
『ここで少し使ってみていいぞ』
神様の声と共にみんなが魔法具に魔力を込め始めた。
「容量はどれくらいかしら」
「今の所は大丈夫そうね」
今、私の魔力の五割は使ったな。
どれくらい込めればいいのだろうか。
「ん?なんか光ってるわよ?」
「薄っすら仄かに光ってるわね」
「眩しいくらいに光れば完了かしら」
「それだと目立つわよ」
「そうよね」
ふむ。これくらいだな。一回止めるか。
「何で止めたの!?まだいけるわよ!」
「ここら辺で止めた方が良かったの。合図みたいなものがあったから」
「私には分からなかったわよ」
「私も」
「とりあえず、アリアネルは出して。試せばわかるから」
「・・・タイプ11まやかしの種」
「アクア・シャワー」
種が水を浴びて成長すると、王冠を被ったアリアネルが見えたかと思うと消えた。
「アリアネル、貴女そんな願望があったの?」
「国家転覆を企んでいたなんて・・・」
「だ〜!誰しも幼い頃は思う事だもの!しょうがないわよ!」
「そうかしら?」
「思わなかったわよ?」
「え〜。と、とりあえず魔法具は発動したわね」
「それにしても燃費が悪すぎるわよ。たとえ満タンにしても、次に満タンにできる量の魔力が残っているかも分からないのに」
「魔石みたいな存在が魔法にもあったらいいのに」
「魔石は魔術専用だものねぇ」
「「「はぁぁ」」」
『それならあるわよ』
「「「??」」」
『付いてらっしゃい』
『ここにいる全員ついて来い。魔石の魔法版の所まで案内してやる』
本当にあるのか?あるなら大変な事態になってしまうが。
『ほら、あるだろう?』
狐お面の神様についていくと、鉱山の様な場所についた。
左右の壁は虹色に輝いていて、目が眩みそうだ。
『この壁は全部、魔石の魔法版で出来ているのよ。凄いでしょう!』
これが?確かに本当だとしたら凄いな。
『これは時と運命の女神の力、またはその加護がかかっているピッケルに限り採る事ができる』
それならこれが市場に紛れ込むことは無いな。
『これは魔法で爆発しようとしてもビクともしないの!凄いでしょう?試しに一発なら許可するわ』
チラリと周囲を見ると、誰もやる気配はしないので私が試すことにした。
「アクア・ボム」
爆発音と共に水が降ってきたが、肝心の壁は全くの無傷だった。
不思議なことに、水が掛かったはずなのに全く濡れていない。
『ほら、ビクともしないでしょう?』
そうですね。
『特別に一人手のひらサイズのものをあげるわ。手のひらをお椀の形にして』
言われた通りにお椀の形にすると、壁の一部が隆起した。
『まずは一人』
女神の声と共に隆起した壁の一部が外れ、宙を歩いてアリアネルの手の中に収まった。
くっアリアネルの方が試合に貰うなんて!
『次は二人』
また、隆起した壁の一部が外れて、今度は宙に浮くと二つに分裂して私とベルの手の中に収まった。
『次は全員』
隆起した壁が全部外れ、宙に浮くと九つに分裂して残りの人の手の中に収まった。
壁に目をやると、まるで壁は隆起していなかったかのような平な状態になっていた。
『言っておくが、この神殿の中での様子や神殿の場所などの神殿に関わる事は全部口外禁止だ。口外したら天罰を降す』
天罰は良くある雷だろうか?それとも時と運命だからヨボヨボのお爺さんお婆さん状態になるのだろうか。
『一回、さっきの部屋に戻りましょうか。そこでこれの使い方を説明するわ』
『分かった。ついてこい』
『これの使い方は簡単よ。魔法具に押し当てるだけ。すると、魔法具が勝手に中の魔力を吸い取ってくれるの』
かなり簡単だな。
『吸い取っている間は押し当てておかないといけないけど、それ以外は便利でしょう?』
とても便利です。
『色の濃さで大体の魔力残量が分かるから便利でしょう?完全になくなると不透明になるの』
便利だが、至れり尽くせり過ぎて何が何でも討伐して欲しいという意思が透けて見えてしまう。そんなに私たちに捕まえてもらいたいのか?




