女神の神殿の試験2
「熱っ」
「完全にミストね」
「絶対に魔法を止めないでちょうだい」
「勿論よ」
「扉は何処?」
「壁に偽装しているのかしら」
「それだと厄介ね」
「爆破して良いかしら」
『どうぞ』
神様直々に返事がもらえるとは思わなかった。
「早くしなさい!」
「アクア・ボム」
ドカン!と言う音を立てて壁が木っ端微塵になった。
「行きましょう」
「ええ」
「あ」
ベルが一歩踏み出そうとした瞬間、思わずナイフを投げた。
「え?あ」
投げたナイフが肉塊に当たると、弾んで壁に飛んでいった。
「え?」
「魔法で攻めるしかないわね」
「アクア・ショット」
放った魔法は弾むことなく貫いた。
「良し」
が、肉塊はその後もモゾモゾ動き回っている。
「木っ端微塵にしないと駄目かしら」
「そうみたいね」
「やるならちょっと待ちなさい」
「五秒ね。四、三、二、一、終わり」
「早い!」
「アクア・ボム」
爆発音と共に肉片がそこらじゅうの壁に引っ付いた。
「気持ち悪いわね」
「ちょっと!もう少し待ちなさいよ!危なかったじゃない!」
「貴女が五秒と言ったじゃない」
「それとこれとは別よ!」
「はぁ?」
「はぁ!?」
「喧嘩しないの。行くわよ」
「「喧嘩してない!!」」
「はいはい「フレイム・ボム」
爆発音と共に熱気と肉片が押し寄せてきた。
「どうする?このままだと進めないわよ」
「物理もほとんど聞かないわね」
「ルナリアとアナベルの爆発魔法を思いっきりぶちかませば良いじゃない」
「口が悪いわよ。それに、この建物が耐えられるか怪しいじゃない」
『大丈夫だ。耐えられる』
「ほら!」
この神様、フットワークが軽すぎでは。
「分かったわ。せーので行くわよ」
「ええ」
「「せーの」」
「アクア・ボム」「フレイム・ボム」
ドガン!ドゴン!
まるではなびだな。
「ルナリア!アナベル!この天井、危ないわよ!」
「崩壊しそうね」
「のんびりしないで!走るわよ!」
そうだな。話している間にも天井がミシミシと音を立てている。
先頭を私、殿をアリアネルに任せて走る。
「あら?扉があるわよ」
「せーので押すわよ」
「せーの」
「せーの」
「せーの」
「バラバラね」
「1、2、3せーので行くわよ」
「「ええ」」
「1、2、3」
「「「せーの」」」
一緒に体当たりすると、人が一人だけ入れそうな隙間ができた。
「こんなに大きくする必要あるかしら」
「見栄よ」
無礼では?いくら信仰していないとはいえ。
扉の中に入ると、狭い通路が一本佇んでいた。
「もしかして迷路?」
「迷路ならアナベルの出番ね。アナベルは大きい迷路があるから慣れてるものね」
「確かに慣れてはいるけど・・・」
怪しまれる前にアリアネルと二人でアナベルを前に押し出した。
「よろしくね」
「殿はアリアネルね」
「ええ」
暫く進むと分かれ道になった。
「こっちね」
「本当に?」
「少しは迷ったら?」
「私の勘は鋭いのよ」
まぁ、迷ったらその時はその時で頑張るか。
その後もベルは迷うことなく道を歩いて行った。
「本当にあっているのかしら」
「合っているみたいよ。ほら、扉が見えているわ」
「いっその事、ダミーであって欲しいわ」
「気持ちは良くわかるわ」
「酷いわね。そんなに信じられない?」
「「ええ」」
「あら」
予想に反して、扉を開けると違う部屋が出てきた。
「つまり、正解?」
「きっと不正解の部屋よ」
『すまないが、正解だ』
「「「え〜!」」」
「何でベルも驚いているの?」
「本当に当たるとは思っていなかったもの」
「一家庭に一人は欲しいわね」
「ええ」
「で、この宝箱は開ける?開けない?」
「タイプ1力の種」
アリアネルの種が無理やり宝箱をこじ開け始めた。
暫く様子を見る。
「あ」
「あら」
「偽物みたいね」
『言い忘れていたが、そいつの体内に魔法具がある。くれぐれも気をつけてくれ』
「まぁ」
「魔法具は燃えるのかしら」
『宝箱が燃えて、その火が移るくらいなら燃えない』
「フレイム」
宝箱が盛大に燃えて、中から何かが見えてきた。
半分ほど炭になったところで、魔法で消火した。
「使い方が分からないわ」
『その魔法具を持って奥の扉に入ってくれないか?そこで一気に説明する』
持つのが怖いので、収納した。
「奥の扉ってこれよね?」
「それじゃない?」
扉の中には、山盛りの棒アイスが入ったお皿が乗っかっている大きいテーブルが設置してあった。
『食べていいぞ。迷路の突破が早すぎて誰もきていないのだ』
とりあえず、チョコを手に取って食べた。
「ん〜美味しい〜」
「あら。じゃあ、私も」
「私も食べるわ」




