サファイア辺境伯の依頼5
羊毛を干し終わると、昨日と同じように魔物狩りを始めた。
一人は危ないという事で、二人一組になった。
ジャンケンと相談の結果、私はアリアネルさんと組む事になってしまった。
「絶対喧嘩するなよ、絶対だからな」
「「分かってる(わ)」」
「はぁ。心配だな」
組が決まると、バラバラにばらけて魔物を狩りにいった。
ん〜どうしよう。精神的に疲れたから一回引っ込みたいけど、引っ込むとな〜。
ん〜。
(ルナリアさん変わってくれますか?精神的に疲れたから休憩したいの)
『分かったわ。ごめんなさいね』
(くれぐれも問題を起こさないようにしてくださいね)
『分かったわ』
「くれぐれも足を引っ張らない事ね」
「貴女こそ老眼で足を引っ張らない事ね」
「老眼?何かの言葉と間違えているわよ。貴女こそ老化が進んでいるわよ」
「貴女でしょう」
「貴女でしょう」
『だ〜休憩したいだけなのに問題を起こさないで!』
(ごめんなさい)
「ほら、行くわよ」
「あんたに言われると癪ね」
『同感です』
「タイプ5何処にでも根付くことができる種」
アリアネルが魔物のお腹に種を思いっきり投げた瞬間、魔物の周辺だけ豪雨を降らした。
「私が支援に回るなんてっ」
「植物とは支援の方が相性がいいのだからしょうがないわよ」
「ちっ、分かってるわよ」
『舌打ちは駄目!』
(ごめんなさい)
暫く様子を見ていると、魔物のお腹に種が根付いて木が生えた。
流石、アリアネル。他の奴らはここまで急成長出来ない。ここら辺は尊敬する。
木の重さで動きが鈍っている間に木もろとも爆発させた。
「次行くわよ」
「ええ」
そのまま魔物を殺していると、ウォルとベルの戦闘現場に出会った。
「手伝う?」
「邪魔しない方がいいわよ」
「それもそうね。あっちに行きましょう」
暫く歩いていると、たくさんの魔物が何かに覆い被さってる変な光景に出会った。
「アクア・ショット」
表面の魔物を撃ち抜いてとりあえず殺す。
魔物は他の魔物が死んでも気に留めずに何かに覆い被さっている。
少し不気味だ。
死体をどかさないといけないので、極力使いたくなかった収納を使う。
「死んだ魔物を収納」
表面の死んだ魔物を退かして、また撃ち抜いて殺す。
「収納って何?」
「新たに取得した魔法よ」
「私にも教えなさい」
「無理よ」
「そう」
流石に神様に貰った物の取得の仕方なんて分からない。
その後も魔物を退かしていくと、石みたいなのが見えてきた。
「石?」
「アクア・ショット」
「収納」
ついに全貌が見えた。
魔物が覆い被さっていたのは、小さい石でできた扉のような物だった。
確か、名前は・・・。
『祠だよね?これ』
そうだ。祠だ。
「開けてみましょう」
「あ、辞めた方が・・・」
「開いたわよ」
祠の中は人の首が入りそうなくらい広かった。
『て、天罰が下るよ!どうしよう!』
(開けたのだからしょうがないわ)
『そ、そんな呑気で良いの!?』
「ちょ、ルナリア。これに少しずつ引っ張られているのだけど」
「天罰が下ったのよ」
「天罰って何?」
「これは神様を祀っているのよ。つまり、貴女は神様の部屋の扉を勝手に開けてしまったの」
「そんな!こうなったら貴女も道連れよ!」
「ちょっと!引っ張らないでちょうだい!」
「あんたが教えなかったのが悪いのよ!」
「教えたわよ!」
口論している間にも、アリアネルは祠に密着している。
「ぎゃああああああ!」
「きゃああああああ!」
『ひ、悲鳴の違いが大きすぎる!』
気がつくと、アリアネルと二人で真っ白な空間に立っていた。
「あんたのせいよ!」
「何でよ!貴女のせいでしょう!」
私とアリアネルの声が虚しく響き渡る。
『完全にアリアネル・フローライトのせいよ』
え?ありあ?いや、声が少し違う。
「「女神様?」」
『その通りよ』
「ここは何処ですか?」
「私までいる理由が分かりません」
『此処は神界もどきよ。ルナリア・アレキサンドライトまで居るのは、接触していたからよ』
なんて迷惑な。で、ありあは何処?
『色々調節中よ。そもそも此処にいるのは想定外の事なの』
そうですか。
『アリアネル・フローライト、ルナリア・アレキサンドライト。今は貴女たちが開けた祠の神様を宥めているところなの。それが終わったら帰れるから辛抱して』
「アリアネルのせいじゃない!」
「ルナリアが止めなかったのが悪いのよ!」
「私は止めたわよ!」
「嘘よ!」
「聞く耳を持たなかったじゃない!」
「はぁ!?」
「はぁ!?」
『宥めるのに失敗したわ。神様に会って直接謝りなさい』
「「え」」
驚いて固まっていると、目の前に狐の下半分がない仮面をつけた着物を着た少女が立っていた。
根拠がないのに神様だと確信して、土下座をした。
「え!?」
「貴女もしなさい。祠がある国では土下座が謝罪なのよ」
「わ、分かったわ」
二人揃って土下座した。
「・・・・・・そこの、ルナリア?とやら、ポテチをくれ」
「ポテチをですか?」
「そうだ」
急いで収納からポテチを取り出した。
「はい、どうぞ」
「おお。ありがたい。ルナリア?に免じて許してやろう。アリアネルとやら」
「ありがとうございます!」
私が顔を上げると、元の平原に立っていた。
「ルナリア、ありがとう」
「どういたしまして。貸し1ね」
「ええ。私は貸し100だから全然足りるわ」
「はぁ!?」
「はぁ!?」
『また喧嘩してる』
(ありあ!居たのね!)
『ずっと居たよ。女神様に声を出すなって言われたから声を出していなかっただけで』
(そうなのね。良かったわ)
ブックマークありがとうございます(`_´)ゞ
カラーチェンジフローライトって綺麗ですよね。
いつか買いたいです。




