サファイア辺境伯の依頼4
(今日は羊狩りだよね!さぞかしもふもふだろうな〜)
『もふもふに愛されし者のスキルを使えば、動物から嫌われる同盟から脱退出来るわ!アリアネルに一矢報いないと!』
(そういえばそんな同盟もあったね〜)
『あいつの顔で笑ってやるわ!』
「ルナ、行きましょう?」
「うん!」
牧場に着くと、沢山の羊やら牛やらが居た。
(もふもふがいっぱい!可愛いな〜)
『この手で触ることが出来ればっ』
(しょうがない。自業自得です)
『くぅっ』
少し待っていると、作業着を着たおじさんがやって来て、実演をしながら説明し始めた。
皮膚も切りそうなのに、切ることなく毛だけを綺麗に取っていくのは到底真似できそうにはない。
そもそも手伝いがいらない気がする。
実演が終わると、実際に羊の毛を刈ることになった。
他は羊が暴れてそもそも毛を刈ることが出来ない。
アリアネルさんなんて、羊が逃げ出してる始末。
それを横目に見ながら羊に寄りかかって半分寝る。
「あいつっどうやって羊から嫌われないようにしたのよ!まさか魔法具!?小癪な!」
『ざまぁないわ!私が使うとでも?!』
緊急時には使いそう。
ふわふわ〜このまま寝ようかな・・・。
『ありあ!起きなさい!毛を刈り取らないと意味がないわよ!』
「ふわぁ。ん〜やるかぁ」
とりあえず、ハサミを持って毛を切ってみる。
「皮膚が切れないようにしないと」
少しずつやって行くと、一時間ほどで刈り終わった。
周りも作業着を着たおじさんの手助けのお陰で終わりに近づいている。
まぁ、アリアネルさんは全く出来てないけど。
『あっはっはっ!私は同盟を脱退したのよ!残念だったわね!あははは!」
(ルナリアさんも前はあんな感じだったのに)
『今は今!昔は昔よ!』
(はぁ)
ポジティブだなぁ。
話している間にも二匹目の羊に突入した。
「ルナ!私に冷たくなる魔法をかけなさい!」
「はいはい。「コールド」
「ふんっ。で、何の魔法具を使ってるの?!」
「何も使ってないよ〜」
適当にあしらいながら羊の毛を切っていく。
こっちは真剣なんだから話しかけないでほしい。
「調子に乗りやがってぇ」
「やっと居なくなった〜」
『最後の言葉、どう考えても貴族の令嬢の言葉遣いじゃないわね。恥晒しめっ』
(ルナリアさんもギリギリの事言ってたよ?)
『私はギリギリ、あいつはアウトよ』
(はぁ)
どっちもどっちだなぁ。
暫くすると、暑いので休憩する事になった。
みんなにこっそり冷気を纏わせた。
(それにしてもすごい量の毛だね。やっぱり服にするの?)
『ええ。とっても暖かいから冬は重宝されるわ』
(へ〜)
「今日はまだ時間があるから、羊毛を洗うのを手伝ってくれるかい?」
「はい!」
「そこの羊に逃げられてたお嬢さんは毛を刈らずに手伝ってくれ」
「はい」
『ぷぷ。羊に逃げられてたで覚えられるじゃない。不名誉な渾名〜』
(ルナリアさんだって同じ時期があったじゃないですか)
『そんなの知らないわ』
(はぁ)
休憩が終わると、羊の毛狩りを再開した。
「ジョキジョキ〜」
「楽しそうね」
「もふもふで楽しいからね〜」
「私もルナみたいに暴れないようにしたいのに出来ないのよ」
「ドライアド使ったら?同じ魔物だし、相性良さそう」
「召喚・ドライアド!羊を暴れないようにして!」
「__!」
ドライアドは羊の近くに行くと、蔦を使って何やら話し始めた?気がする。
エメラと様子を見ていると、羊が暴れなくなって、エメラに近づいて毛を刈りやすいようにしてくれた。
「凄っ」
「ありがとう。ドライアド」
ちょうど、毛を刈り終わったので、おじさんのところに行った。
「終わりました〜」
「ありがとう。じゃあ、逃げられてた子の隣で洗ってくれるかな。やり方は教えてあげるから」
「分かりました」
隣の強い視線を感じながら、説明を聞いた。
「では、実践してみようか」
「まずは、フラー土を羊毛にかける。」
「正解」
「軽く土を押して馴染めせやすくする」
「そうそう」
「そしたら、水の中で押しながら洗う」
「うんうん」
全体重をかけて押す。
「フンっチビだから体重をかけてもたかが知れてるわね」
「こういう場面でしか役に立てないからって威張らないでちょうだい」
「ちっ。仕事中じゃなかったら見逃さなかったわよ」
「フンっ」
(ルナリアさん?何してるんですか?)
『ごめんなさい・・・』
(はぁ)
『すみません・・・』
とりあえず、無言で羊毛を力一杯殴る。
(こうしないと洗えないの不便だなぁ)
『すみません・・・』
(そ、そこまで怒ってないから!大丈夫です!)
『ありがとうございます・・・』
土を羊毛に馴染ませて、洗い終わるとおじさんが羊毛を干していた。
「圧巻の光景〜」
『そうね』




