サファイア辺境伯の依頼2
「目的地に着きましたよ!」
「ふひゃあ!」
「すみません。驚かせてしまいましたか」
「はい。着いたんですね?」
「はい。降りてください」
馬車から降りた。
「相変わらずお貴族様のお屋敷はでかいわね」
「ね〜」
あ、ルナリアさんにぶっとい釘を刺さないと。
(ルナリアさん、ルナリアさん)
『何かしら』
(絶対に、絶対にアリアネルさんと会っても口論しないでね。絶対に絶対ですよ)
『そんなに言わなくても分かってるわよ』
(絶対だよ。もしかしたら話せない状態にするかもしれませんからね)
『わ、分かったわ。善処する』
(そこは絶対にしないと言ってよ・・・)
「ルナ、行くわよ」
「は〜い」
大丈夫かな?
暫く歩いていると、一つの扉の前で立ち止まった。
「こちらに辺境伯様がいらっしゃいます。どうぞ、入ってください」
中に入ると、辺境伯ご夫婦がいらっしゃった。
『ほとんど変わってないわね』
(ね〜前あったのは一年以上前なのに凄いですよね)
『秘訣を教えて欲しいわ』
「来てくれてありがとう。依頼したのはアレキサンドライト辺境伯とガーネット辺境伯が立て続けに依頼をしたからさぞ有能なのかと思ったからだ。存分に役に立ってくれ」
「「「「「かしこまりました」」」」」
「他にも依頼をしているパーティが居るから顔見せをしてくれ。隣の部屋にいるからモルゲン、案内して欲しい」
「かしこまりました。では、着いて来てください」
「ここです。ここに2パーティが居ます」
「分かりました」
扉を開けて中に入ると、ウォルターさんとアナベルさんとアリアネルさんが居た。
他にも人がいたけど、多分他のパーティメンバーだと思う。
(絶対挑発に乗らないでくださいよ?絶対だからね)
『わ、分かってるわよ』
「あら?一人だけお子様がいるわよ?ここは遊び場じゃ無いのだから帰りなさい」
『はぁ!?』
(落ち着いて!)
「七歳かしら。お子様ね。フンッ」
「はぁ!?おばさんが何を言っているのかしらね!」
「お、おばさん!?私はまだ十四歳よ!」
『ルナリアさん!何してるの!』
(ごめんなさい。耐えきれなかったの)
『えぇ?』
「あら、見えなかったわ。てっきり三十代かと」
「七歳のお子様には歳が二倍も違うから分からなかったのね」
「十四歳で二倍にしてもさらに上じゃない。サバ読んでも惨めなだけよ。お・ば・さ・ん」
「うるっさい!ガキが調子に乗んな!」
「はぁ!?おばさんには言われたく無いわよ!」
「こうなるから顔見せはやめたかったのに・・・」
『いつもルナリアさんとアリアネルさんの口論に挟ませてごめんなさい。ウォルターさんとアナベルさん』
「この馬鹿!」
「このド阿呆!」
「間抜け!」
「ドジ!」
「年増!」
「ガキ!」
「はぁ。「ボイス・クリア」
ウォルが魔法を使った瞬間、自分とアリアネルの声が出なくなった。
いえ、自分とアリアネルの声が聞こえなくなった。
『ルナリアさん、後でお仕置きしますからね』
(ごめんなさい・・・反省しているわ)
『反省だけされても困るんだけど』
(申し訳ございませんでした・・・)
『じゃあ、交代する?』
(ええ)
「声が聞こえない?何で?」
「あ、俺の魔法だ。風魔法」
「そう」
その間にもアリアネルさんが顔で煽ってくるけど、腕組みをしてルナリアさんが出てこないようにする。
「まずは挨拶してくれ」
「まずは、私からね。パーティメンバーは私、アナベルとアリアネルよ」
喋れないので、コクコクとアリアネルさんが頷いた。
「次は俺だな。パーティメンバーは俺、ウォルとカニーンヒェンとヒースヒェンとコネーホとレプスだ」
次は私たちの番だけど、他の三人は萎縮してしまい、ラチナが挨拶することになった。
「次は私。パーティメンバーは私、ラチナとルナとエメラとヘリオとペリド」
挨拶が終わって何をするのか考えていると、サファイア辺境伯夫婦が部屋に入って来た。
「挨拶は終わったな。これからする事を話す。まず、今日は魔物退治を行って欲しい。明日からは羊の毛刈りも行なってほしいが、今日はやらなくていい」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」」」」」」
「では、行って来てくれ」
部屋を出て廊下を歩こうとする前に、ウォルターさんを軽く殴った。
「ん?何だ?あ、魔法掛けてんの忘れた「解除」
「あ、あ、あ。良し。ありがとう」
「忘れないでよ。一生喋れないのかと思ったわ」
「あ〜ごめんな」




