仲良くなったー!
今日もダンジョンに行く。
一応朝食を遅く食べておいたから、いつも昼食を食べている時間までは活動できると思う。
四階層に着くとホーンラビットに似ているニードルラビットがお出迎えしてくれた。
冒険者を待っているのか、大群になっていて、その中にダイブしたくなった。潰れるからやらないけど。
「ふあぁ。もっふもふぅ」
「ホーンラビットとはまた違う毛の手触り・・・最高!」
「こいつは魔物に襲われないのか?」
「あっ!ヘリオ!」
一昨日ぶりのヘリオだぁ。一昨日と同じく襲われてるね。
それにしても、ニードルラビットに襲われていても怪我一つ追わないなんて・・・
成長したんだね。
「はぁ。酷い目にあった」
「ニードルラビット相手に怪我しないなんて、成長したんだね」
「まぁな」
「あっ!そういえば俺のパーティメンバーを紹介してやろうか?」
「えっ?パーティに入ってたの?」
「あの時は、俺以外全員病気にかかってたんだ」
「へぇ」そんなことあるんだ。
「ってことで俺のパーティメンバーだ」
「こんにちは、エメラよ。テイマーね。恋愛話が好きだからいつか一緒に話しましょう?」
ええと青がかった緑の頭がエメラかぁ。テイマーだ!いつかもふもふさせて欲しい!
「私はラチナ。無属性魔法使いであり、魔術師。ショタロリが好き。合法も行けるから君も射程圏だよ」
銀色の頭がラチナ。ショタロリかぁ仲良くなれそう。でも自分のが対象になるのはやだなぁ。
「俺はペリドだ!タンクであり大斧使いだ!能天気らしい!」
若草色の頭がペリド。能天気というか脳筋っぽい。
「で、俺はヘリオだ」
一昨日会った黒色の頭がヘリオ。
私達は人の名前と顔を覚えるのが苦手だし、初対面の相手はあまり体や顔を見ないようにしているからなぁ。
この人達は攻略するスピードが同じくらいだから、また会うだろうし覚えておかないとなぁ・・・
「ところでこんなところで会ったのだし、一緒に攻略しないかしら」
「いいよ」
ちなみにこのパーティはユヴェーレンという名前らしい。
ユヴェーレンのみんなとダンジョンを攻略している途中に、ラーヴァベアに出会った。
ラーヴァベアは体が溶岩で包まれていて、武器は溶けてしまうし、氷属性や水属性とは相性が悪いので、メインは無属性魔法使いであり、魔術師であるラチナになった。
まず、ラチナが魔術で穴を作り、その中にラーヴァベアを入れ、その中に水属性魔法で作った大量の水を流し込んだ。
あっという間に蒸気が立ち上り、ラーヴァベアは周りに岩ができてしまったせいで動けなくなったので、「アクア・ボム」で本体と石もろとも爆破させた。
ラーヴァベアが出てきた後は、ニードルラビットしか出てこなかったから、すぐにボス部屋に着いた。
ボスはマウントボアだった。ボス部屋は攻略してきた中で一番広く、前世でいう東京◯ームくらいの広さがあるにも関わらず、マウントボアがデカすぎて狭く見えていた。
「でかぁ。これどうやって倒そうかなぁ」
「とりあえず魔石を抉って取り出せば死ぬから、そこを集中攻撃するぞ!」
「「「「了解!」」」」
マウントボアはその巨体に見合う硬さでかれこれ一時間くらい攻撃しても、半分くらいしか皮膚がえぐれていなかった。
魔石の真下で攻撃していたので、ときどき血が垂れてきて、全員血まみれだった。
「アクア・ボム」を乱射して、やっと倒すことができた。
「うう・・・残りの魔力が少なくて怠い・・・」
転移陣に乗ってギルドに戻ってきた。
「そういえば死体達ってどうする?」
「「「「確かに・・・」」」」
「分けやすいし六つに分けるか」
「でも、一つ余るよ?」
「それはルナが貰っていいぜ。仲良くなった証ってことで」
「わかった。ありがとう!」
その後、みんなで解体して買い取って貰い、別れた。
別れた後はかなり疲労していたから冒険に行かずに宿で休憩した。
昼食を取る。
昼食は舞茸のタルテュフレットだった。
舞茸が入ったグラタンみたいな味がした。でも普通のグラタンと違って食感がシャキシャキしている。ちなみに明日のメニューはきのこのマリネらしい。お母さんが作ってくれたのを思い出すなぁ・・・
その後は暇なので毎度お馴染みいつもの森に出かける。
いつものように座りながら撫でる気力もないので、寝っ転がりながらホーンラビットたちを見る。
「平和だなぁ」
「いつも血溜まりがそこら中にあるのに・・・」
ねっ転がりながらぼーっとしているとホーンラビット達が体に乗っかってきた。
「楽園っ。寝っ転がってて良かったっ」
乗っかられた嬉しさで寝てしまったらしく、次に起きると空が夕焼け色に染まっていた。
「あれ?ホーンラビット達いたの?帰ってよかったのに。ありがとうね」
「ふあ。眠いし帰ろっと」
「ホーンラビット達じゃあね」