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ガーネット辺境伯の依頼5

 遂に二回目の黒い狼の日。

 私達ユヴェーレンは狼討伐隊と犯人追跡隊に分かれることした。

「私は狼の数でどっちに入るか決まるのよね?」

「うん!」


 完全に参加しないと怪しまれるので、魔物を倒しながら巡り歩く。 


 暫くすると複数の狼の遠吠えが聞こえてきた。

「一、二、三。三匹だけ」

 三匹だけならエメラは追跡隊だね。


 暫く森を走って黒い狼の居場所を探る。


「東に固まってるみたい」

 召喚場所は東。

 なら、召喚者はどこに向かったのかな?

 とりあえず木登りしよっと。


「怖いぃ」

 怖いよぉ。無理ぃ。降りたいぃ。

「任務をやり遂げて急いで降りないとっ」

 守護のペンダントがあるからって落ちるのはやだっ。

「あそこの塊とあっちの塊は騎士団だね。塊はもう一個あるはずだけど潰した?」

「ラチナがいたなら納得だね」

「見える範囲で一人で居そうなの・・・・・・」

 馬車のそばで休憩している人と、なぜか一人で同じところをぐるぐる回っている騎士団長だけかな。

「もしかして、騎士団長って迷子?」

 とりあえず、1番怪しいから騎士団長のところへ。

「よいしょ、よいしょ、あれ?騎士団長の方に誰か?」

 一旦降りるのをやめて観察すること三十秒。

「エメラっぽいなぁ。それなら大丈夫か。」

「よいしょ、よいしょ、よいしょ、降りたくないぃ、よいしょ、よいしょ、よいしょ、よいしょ」

「ふぅ。命の危険を感じた所だった」

「とりあえず、馬車の側の人のところに行こっと」



 確か、こっちの方に居たような・・・。


 居た居た、気配を消してるからバレてないみたい。というか、よく見たら御者の人じゃん。

 念の為、縄を結んで持っておこっと。

 でも、見ても大丈夫っぽいからなぁ。

「こんにちは〜」

「っ!」

 御者の人の目が私を捉えた瞬間、頭が喰われた。

「へ?」

 急いで周りを見渡してみると、さっきは居なかった黒い狼が居た。

 もふもふに愛されし者の効果で襲われてはいないけど、いつ襲われるか分からない。


 少しずつ後ろに下がっていると、黒い狼は御者の首を加えてどこかに行ってしまった。


「・・・・・・とりあえず収納しておくかぁ」

「収納!」

 御者の首より下を収納した後、森の中央に向かう。


「御者の頭が喰われたってことは御者が召喚者?」

「なら騎士団長は白。居なかったのも迷子だから?それとも御者に人が来ないようにしていた?」


 とりあえず、みんなと合流しないと。


「居たっ!」

「ルナ?」

「引き上げる所だった」

「そうなんだ!間に合って良かった!」

「何かあったの?」

「木登りしてた」

「そ、そう」

「話があるから報告しないと」

「そう」


「そういえば、騎士団長って迷子だったの?」

「ええ。極度の方向音痴らしいわ。いつもは部下が助けてくれるから迷子にはならなかったけど、間引きの間は必ず迷子になるらしいわ」

「な、なるほど」

「あ、騎士団長さんが居るぞ」

「本当だ!騎士団長さん!」

「ん?君達か。何の用だい?」

「辺境伯令嬢に追加の報告です!」

「そうか。行こう、着いておいで」

「はい!」



 アナベルさんの部屋に入る。

「ユヴェーレンの者から報告があるそうです」

「そう。報告してちょうだい」

「はい。黒い狼の召喚者を見つけました」

「誰?」

「イニグマ・レーチェルハフトです」

「イニグマ?」

「はい」

「証拠を見せて」

「死体となりますが、ここで出してもよろしいでしょうか?」

「よろしくないわ。訓練場に行くわよ」

 さっさと行ってしまったアナベルさんの後を急いで追って行く。

 それにしても御者の名前を聞いといて良かった。私は覚えてなかったからなぁ。


「ここに出してちょうだい」

「はい」

 仕舞っておいた頭なし御者の死体を出す。

「っ!」

 余り死体を見ないのか、アナベルさんは一瞬顔を背けた。

「これが証拠になる理由を教えなさい」

「はい。私が御者に声をかけた瞬間、御者の頭が黒い狼に喰われていました。つまり、姿を見せた代償だと私は推測しました」

「なるほど。彼はテイマーだから魔物を召喚することは造作もないわね。ただ、禁術を知っている理由がわからないわね。こちらで調べておくわ」

「ありがとうございます」

「ところで、私は貴方たちと模擬戦をしたいわ。付き合ってくれるかしら」

「わ、私は剣を扱えませんよ?」

「私は魔法も剣も扱えるわ。流石に大斧は使えないけど」

「そうですか・・・」

 どんまいペリド。

「着いてきなさい」

 毎度毎度先に行くアナベルさんの後を急いで追う。


「誰から行く?」

「アナベルさんの後ろについて行った順で良い」

「じゃあ私からだね!」

「回復担当がいるから遠慮しなくて良いわよ。それから、何でも使って良いわ」

 良かった!ならナイフを使える!


 お互いに例をして構える。

 審判の騎士団長とペリド合図を待つ。

「初め!」

 まず、アナベルさんの周りの空気の温度を低くする。我慢できるけど、上着が欲しいくらいの寒さに調節した。

「フレイム・ボム!」

 炎が爆発した。

 周りの温度を低くしたから飛んでくる火の粉も熱くはない。

「アクア・レイン!」

 これで火属性の方は防げるっ。後は、土属性の方だけど。


 アナベルさんの出方を伺っていると、突然地面が隆起した。

「はっ」

 急いで飛び降りつつ、牽制でナイフを投げる。

「ナイフまで使えるのっ」

 良しっかすった!

 

 どうせ遠距離魔法を使ったって前の二の舞になるから氷の剣を使うしかないよねっ!


 地面が隆起するのを避けたり飛び降りたりしながら近づく。

「えいっ」

 ジャンプしながら近づいた瞬間剣を創って振り下ろす。


 剣を創って受け止められる。


 身長差的に斬り合うのは得策ではないから剣を消して腰にナイフを刺す。


 深くナイフが刺さる瞬間剣によって弾き飛ばされる。


 バックステップで後ろに下がる。

「アイス・ブレード!」

「アイス・ブレード!」

 氷の刃がアナベルさんの周りを周る。


 撃ち落とそうと四苦八苦する隙間にナイフを投げる。


「隙がない・・・「アクア・ボム!」

 訓練室の中に爆発音が響き渡り、アナベルさんが驚いて顔を上げる。


 その瞬間、二体の氷の刃とナイフの群が襲いかかる。


 急いで剣で叩き落とすが、氷の刃は躱されて皮膚に食い込んだ。


 一cmほど食い込むと魔法を解除した。

 すぐに回復担当が回復する。

 回復って肉が再生するから気持ち悪いのかなぁって思ったけど謎の光で全く見えない。


「ルナ、貴女すごいわね。私に勝てるなんて」

「ありがとうございます?」

「隅でコツを教えてくれる?」

「な、何故隅っこで?」

「何となくよ」

「はぁ」

 半ば引きずられながら隅っこに移動する。

「ところで、貴女の本名はルナリアなの?」

「え」

「答えてちょうだい」

「・・・」

 確かに身体はルナリアさんだけど思考は愛莉彩と混ざってるからなぁ。

『ありあ、はいと答えなさい』

「ひぇ!」

「何?」

『口に出さないで。心の中で喋れば通じるわ』

(ルナリアさんが喋れるとは思わなくて・・・)

『身体の主導権を握ることも可能よ』

(そうですか)

『それはともかく、はいと答えなさい』

(分かりました!主導権も握ってどうぞ!)

『ありがたく頂戴するわ』

「そうよ。今は事情があって平民になっているわ」

「ルナ!」

「怪しまれるから後で話しましょう」

「ええ!」


『主導権は返したわよ。握らせてくれてありがとう』

(どういたしまして!)

 それにしても、主導権を他の人が握るって不思議な感じだね。

ブックマークありがとうございます\(//∇//)\

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