フオルンを討伐するぞー!
「大規模な依頼で日をまたがないものってあるかしら?」
「探せばありそうだけど、あまり高くはないと思うよ」
「そうよね・・・」
「これは?フオルンの討伐」
「フオルン?」
「えーっと、何らかの原因で知性がなくなり、ひたすら森を暴れるエントらしい」
「場所は南区ね。歩きで二時間以上はかかるわ」
確か、ルナリアさんの家があるここを中央区、南を南区だっけ。それ以外にも南西区とか北区とかがあった気がする。
「乗合馬車を使えば三十分くらいで着く」
「そうね。では、これにする?」
「「「うん(!)」」」
受付でヘリオが依頼を受注した。
「フオルンが3匹も発生しているらしい」
「「「3匹も?」」」
「ああ」
「通常は一匹なのに」
「早く行きましょう!」
「乗り合い馬車って何処にあるっけ」
「ギルド前の通りよ」
乗合馬車の停留所に着いた。
「今が六半刻だから、半刻後に馬車が来るのね」
「暇」
「大丈夫よ。この時刻は目安だもの」
「30分はいつもずれるからなぁ」
「そうね・・・」
一時間程すると馬車が向こうから走ってきた。
人が1人だけ降りる。
「乗りましょう」
馬車の中には三人の人が居た。
小説では馬車に乗ると挨拶を始めるって聞いたけど、ここではしないんだね。
正面の人が会釈をしてきたので、会釈を返すと馬車の中は静けさで満たされた。
眠いから寝よっと。ZZzzz・・・・・・。
「ルナ!ルナ!起きて!」
「ん〜後一時間・・・」
「多すぎ」
「目的地に着くわよ!」
「えっ!」
やばっ寝過ごすところだった!
「起こしてくれてありがとう」
「どういたしまして」
馬車を降りて身体を伸ばす。
「ふぅぅぅぅぅ」
ボキって音がした。
かなり凝ってたんだね。
「森はどこかしら・・・」
「あそこじゃない?木が密集しているところ」
「そうね。行ってみましょう」
森らしきところに近づいてみると、木が倒れる音が聞こえてきた。
「フオルンが暴れてるわね。早く行かないと」
前世だったら環境破壊で訴えられそう。
森に中に入って行くと巨木が一体と普通の木が二体暴れていた。
「でっか」
というか、フオルンが通る場所が真っ平になってる。
「アイス・ブレード!」
「召喚・ドライアド!」
「重力操作」
ラチナの重力操作で少し動きが鈍った。
あくまで少し。
氷の刃がフオルンに体当たりして削る。
「ん〜巨木の方はほとんど効果がないみたい」
「!」
動物と何かを話していたドライアドがエメラにジェスチャーを始めた。
「動物?登る?」
ドライアドが頷く。
「フオルンに動物たちが登るの?」
再度頷く。
「うーん、やってみて」
「重力操作解除」
動物たちがフオルンに登っていく。
氷の刃が動物たちに当たらない様にする。
動物たちがフオルンの真ん中に来ると、一斉に木肌を削り始めた。
動物達が落ちない様に爪を立てているので、フオルンは振り落とそうと動く。
「__」
ドライアドがエメラに再度ジェスチャーをする。
「木を指さして、持ち上げた?一旦捨てて、中に入れる?」
「ん〜木を中に入れる?」
「!」
ドライアドが頷く。
「中に入れる・・・収納?」
ドライアドが勢いよく頷いた。
ジェスチャーゲームを見てる気分になってきた。
「ルナに倒れてる木を収納して欲しい?」
ドライアドがヘドバンする勢いで頷く。
「ということでよろしく」
「りょうかい〜」
そこら辺に落ちている木を片っ端から収納していく。
後には大量の切り株とほんの少し残っている木が残った。
「切り株は残しておけば新芽が生えるわよね」
「伐採された木って売れるのかな?」
「土木ギルドに行けば売れると思うわよ」
「土木ギルドって隣の領に行かないとないような・・・」
「多分ないわね」
「二人とも!そろそろフオルンが伐採できるぞ!倒れるから避難準備しておけ!」
「「分かった!」」
しばらくすると、フオルンが仰向けに倒れた。
勿論、動物たちは避難済み。
「このフオルン達の残骸ってどうするの?」
「ドライアドが森の栄養にするのよ」
ドライアドが手を祈りの形にしてフオルンの近くに跪いた。
すると、ドライアドから緑色のオーラが出てきてフオルンがボロボロになり、地面に溶け込んでいった。
「わぁ、綺麗」
しばらくすると、フオルンは跡形もなくなった。
「良し、ドライアドは戻って」
「この後はどうする?」
「日没まで時間があるから土木ギルドに寄りましょう」
「場所は分かるの?」
「私のスキルでいけるわ。魔力を沢山使うからあまり出来ないけど」
「お隣のアンブリゴナイト領にあるんだっけ?」
「そうよ。三十分くらい歩けば辿り着くはずよ」
「意外と近いね」
ということで森を歩いてアンブリゴナイト領に入った。
「アレキサンドライト領とはまた違った雰囲気だね」
「そうだな」
「土木ギルドはこっちよ」
土木ギルドに着いた。
「土木ギルドも登録してからじゃないと買い取ってくれないわよね」
「そうだよね」
受付で土木ギルドに登録した。
登録方法は冒険者ギルドと全く同じだった。
「これで買い取って貰えるわね」
カウンターに向かう。
「すみません。木の買取をしたいのですが」
「かしこまりました。着いてきてください」
着いていくと、大きな広場に出た。
「ここで木を出してください」
「分かりました」
収納した木を全部出した。
「す、すごい数ですね・・・。お金を持ってきますので、少々お待ちください」
しばらくすると、お金を持ってやってきた。
「買取料でございます」
ルピーが入っている袋を受け取った。
ずっしりとしている。
広場の様な所を出て、みんなと合流する。
「かなりのお金になったよ」
「あら、良かったわね」
「帰ろ」
「うん!」




