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二〇周年企画に物申す

作者: 谷橋ウナギ


 1.はじめに

 2.イベントの概要

 3.テーマについて

 4.ジャンルについて

 5.最後に



 1.はじめに


 なろう二〇周年企画が公式ブログで発表──されたは良いがその内容は個人的に納得のいかない物であった。何故か特定のジャンルに絞ったイベントであったのだ。

 と言うワケで、このエッセイでは意見を述べつつ、ジャンルを絞ることにどんな問題があるのかを検証していく。軌道修正が効く内にである。


 2.イベントの概要


 まず、なろう二〇周年企画の内容について短く纏めてみる。

 イベント名は「小説家になろう Thanks 20th」。テーマは“勇気”。ジャンルは恋愛(現実世界・異世界)及びハイファンタジー、ローファンタジーである。

 イベントタグを付けて新規に投稿した小説を読み、レビューを書くことでプレゼントが貰えると言う、どちらかと言えば読者に軸足を置いた企画となっている。


 何故勇気がテーマなのに恋愛ジャンルが半分占めてんだ? と言うツッコミは一先ず置いておくとして、本エッセイではこのイベントについての考察と指摘を行っていく。


 3.テーマについて


 テーマになっている“勇気”とは何なのか?

 辞書を引くとでてくるのだが、個人的見解を述べるのであれば「人が恐怖を感じ、たじろぐような物事に対し果敢(かかん)に立ち向かう心」であろうか?


 当然どのジャンルにもこの勇気は存在する。

 一番多いのはバトル物だと思われるが、恋愛で告白するときにも勇気は必要だろう。巨大な魔物に挑むより好きな人に告白する方が“恐怖を感じる“とは思えないが、取り合えず勇気はある。

 ミステリーでも謎を解くために犯罪者や怪しげな組織を追わなくてはならないし、大河浪漫(たいがろまん)だって戦に赴かなくてはならない。赤ずきんちゃんにだって勇気はある。


 ここで私が言いたいのは「テーマ広すぎるだろ!」と言う事である。

 小説の八割が“この小説には勇気がある!”と言ってタグを付けても問題がないはずだ。エッセイを除けば勇気がない作品の方が限られる。

 「取り合えずタグ着けりゃ良いや」となる可能性をちゃんと考慮したのだろうか? 非常に疑問の残るテーマとなっている。


 4.ジャンルについて


 現在“恋愛”ジャンルに於いて問題が起きている。特に異世界恋愛ジャンルが増加しすぎ、“読まれない”と言う事態になったのだ。異世界転生などにも発生した“読まれるためには流行のジャンルを書かなくてはならない”と言う問題の顕在化(けんざいか)である。

 あまりにも読まれないため他のジャンルのタグを関係ないのに付けてしまう者が現れるなど、何処かで見た事のあるような末期的な現象が発生している。運営側もジャンルを分けるなどしておりこの問題をある程度把握しているのだろう。


 さて、だと言うのに──である。イベントのジャンルは半分が恋愛。しかもテーマは恋愛とはあまりマッチしないと思われる“勇気”である。

 「最大ジャンルだからイベントのジャンルに入っているのは当然」と思う者も居るだろう。それはそうなのだが、他のジャンルを閉め出す理由はよくわからない。


 そもそも、異世界恋愛ジャンルに於ける問題の発生は“投稿小説のジャンルが(かたよ)りすぎた”事によるものだ。運営はこの問題を少しでも解消するよう努力すべきであると私は思う。多様性を失えばはじき出されたジャンルのユーザーは消えてしまう。

 しかし、この企画のやっていることは“逆”だ。恋愛かファンタジーを読まないユーザーはイベント参加禁止である。


 せめて“その他のジャンル”の項目を作っても良かったのではないだろうか?

 疑問を感じざるをえない。


 5.最後に


 ユーザーは規約を守る限り自由である。個人的にはジャンルをこんなに偏らせればスコッパーが減り、サイトの可能性が狭まってしまうと感じているが、あくまでも個人の見解である。


 しかし運営は別だ。運営にはサイトの未来をある程度変えられる力がある。その必要性もまた然り。サイトが弱体化すれば稼ぎも減るだろう。現在では対抗馬となるサイトも増加し競争が発生している。


 “その他のジャンル”の項目を造るのがそんなに難しい事だろうか? そもそもテーマを勇気とすべきだったのだろうか?

 せめてマイノリティも参加可能なイベントの企画を運営に求め、このエッセイを閉じることとする。


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― 新着の感想 ―
[良い点] まさにその通り! 流行りに乗れないマイナージャンルの書き手としては、今回の企画に参加させようともしてくれない運営の姿勢には疑問を感じてしまいます。
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