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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無限の責め苦に苛まれる『それ』にかける情を私は知らない

作者: 衣谷強

私の日常の一部になりつつある惨劇です。

どうぞお楽しみください。

 ……あぁ、まただ。

 今度はピラニアの水槽か。

 私の目の前で、縛られた『それ』はゆっくりと吊り下げられていく。

 獲物に歓喜する牙持つ魚達は、我先にと水面に跳ね、『それ』に噛みつこうと歯を鳴らす。

 そして、あぁ、落ちた。

 無数の魚に群がられ、『それ』は最後を迎える。

 だが『それ』の悲劇はここで終わりではない。

 数分もすればまた新たな惨劇に襲われるのだ。

 これまでに一体幾つの惨劇を目にしただろうか。


 猛火に包まれる。

 崖から突き落とされる。

 回転ノコギリに頭を割られる。

 左右からプレス機に潰される。

 加熱した大岩に押し潰される。

 鋭い針山に滑り落とされる。

 チェーンソーに切り刻まれる。

 無数のドリルに貫かれる。

 足を縛られて断崖の先に逆さ吊りにされる。


 ごく稀に生き延びる事もあるが、『それ』も束の間の平穏。

 また地獄が『それ』を襲い、惨劇は繰り返される。

 だが私はそれを止めない。

 ただただ終わる時を待つ。

 むしろ早く終わりが来る事を望んでいる。

 これが虚偽だと知っているから。

 惨劇を救いたいと手を伸ばす者を掴む罠だと知っているから。

 だから私は今日も冷たい目で、『それ』が惨劇に落ちる様を眺める。

 憐れみなどない。

 他者からの助けを当たり前のものとして、己が身を守ろうとすらせず、不満すら叩きつけてくるものに、情けを感じろと言う方が無理だ。

 これからも私の前で『それ』は惨劇に襲われ続けるのだろう。

 私は心を殺して、その惨劇をまた見続けるのだった……。





 それにしてもこのクマは、何をしたらここまで毎度酷い目に遭わされるんだろう……。

読了ありがとうございます。


ネット広告を見ない方には、私がクレイジーサイコ野郎に見える事でしょう。

これはT◯◯n Blastというゲームの広告を見過ぎた私の、怒りを通り越した何かを形にしたものです。

でも絶対ダウンロードなんかしてやらない!


鬱憤ばらしにお付き合いいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 球磨は熊じゃないクマー!
[良い点] やられた! 本文そのものは地獄ツアーへようこそって感じなのに前書きを読んでいたものですから、「これが日常の一部になりつつある、ってなんだろう? 何かの比喩なんだろうけど……」と首を捻りなが…
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