表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヒューマンドラマ

ひいおばあちゃんからの遺言

作者: いかすみこ

私と同じように恋愛に全く興味がなかった曾祖母のエピソードです。自由に生きることが難しかった時代、彼女は常に前向きで人生を楽しんでいたそうです。

「ねえ、おばあちゃん。今までで一番楽しかったことってなに?」


「そりゃあ、あんたが生んだ子供達の世話をしている今だよ。孫は可愛いって言うけど、まさかひ孫を抱けるなんてね。長生きはするもんだ」


「ねえ、今までで一番腹が立ったことってなに?」


「色々あるね。意地の悪い姑に端切れ渡されて、一晩で着物を縫えって言われて時とか。あんたの母さんが、小学校で父なし子だって泣かされて帰ってきた時とか。あんまり腹が立って学校に乗り込んだら余計に泣かれてね。もう恥ずかしくって外に出れないって」


「ねえ、一番悲しかったことってなに?」


「もちろん、あんたの母さんに死なれたことさ。本当にあの娘が私の生きがいだったから。病院で少しずつやせ細っていくあの子を見るのは辛かった。せめて愚痴の一つも吐いてくれれば良かったのに。あの子は我慢強かったから。あんたが妊娠したってわかってなきゃ、私も後を追ってたね」



「おばあちゃんが人生で一番に幸運だった事ってなに?」


「・・・あんたのじいさんが亡くなった事かな。ちょうど妊娠中の時でね。一応、婚家に残るって話もあったんだけどね。しきたりの多かったあの家に留まるのも、まだ幼い弟妹が沢山いる実家に戻るのも嫌でね。飛び出して腕一本で娘を育てたよ。楽しい人生だった。本当は人の死の上に成り立った幸せなんて許されないことかもしれないけどね。あんたの子供たちに伝えておいてね。一度きりの人生、誰かの思惑通りに生きるだけじゃつまんないよって。死ぬときに、楽しい人生だって心から思えるのが最高の生き方だって。どんなに変わった人生でも、あんたは子供たちを応援してあげるんだよ」

最後までお読みいただきありがとうございます。

Aセクが書いたAセク文学が読みたいとリクエストを貰ったのでストックから出しました。

6月はLGBTQA+PRIDE月間なので丁度良いかなと思い。


Aセクシャルについて知りたいという方がいましたら、リクエストいただければエッセイ書きます。

( ..)φカキカキ


誤字脱字を教えていただけると助かります。

感想やコメントを頂けると涙を流して喜びます。

仏壇に報告します(笑)


それでは次作でお会いできるのを楽しみにしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ