プロローグ 時間遡行スキル
「時間遡行スキル…ね」
俺はそうつぶやいた。強いモンスターを求めて時間遡行スキルモンスターに挑んだのだが、そこまで苦戦はしなかったな。
スキルモンスターとは「チートスキル」と呼ばれる常識に反した最強スキルを持っているモンスターのことだ。
スキルモンスターを倒せば、チートスキルが手に入る。
じゃあ、何で皆がスキルモンスターを倒さないのかというと強すぎるからだ。
だって相手はそのチートスキルを使ってくるんだからな。
俺、シャリア・カイントは、かつて村で最弱だった。
身体能力も弱いし、ロクなスキルもなかったから、村人達からは白い目で見られ、迫害されていた。
その結果、俺は村近くに住む魔物への生贄として捧げられた。
だが、何が原因なのかはわからないが、俺はアンデットになって蘇った。
姿はまあスケルトンといったところか?
強さにあこがれを抱いていた俺は、アンデットになったおかげで得られた無限の時間を使って、なんとか強くなろうと考えた。
それから1000年…俺は戦って戦って戦い抜いた。
そして俺は力を手に入れたんだ。
スキルモンスターすら倒せるほどに強くなった。
けど、あれから1000年だ。俺のことを知ってる人などもういない。
強くなったことを自慢する相手もいない。
「時間遡行…使ってみるか」
俺は生きていた あの頃に戻りたいと思い始めていた。