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人に召喚されたけど、人類助けなくていいですよね?  作者: 玉崎蓮
第一章 迷宮攻略編
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名付けと恋



 次に俺が目を覚ました時、リリアーナと名乗った少女は、まだ眠っていた。この間に罠を回収して、バっグに入っていた干し肉を一切れ食べる。そして、これからのことに想いを馳せていると、ようやくリリアーナが目を覚ました。やはり、まだ現実を受け止め切れていないのだろう。これは夢だとうわ言のように呟き続けている。そんな彼女の肩を掴み何回かゆする。しかし、現実に帰ってきていただけない。ここは多少強引にでも帰ってきてもらうか。


「リリアーナさん、これは夢ではありません!」

「!あなた、何思い出させてくれてるの。私をこっちの世界に連れて来ないで。それともなに?私に殺されたいと、そう言うこと?」


そもそも俺は、この人がいなければ、どのみち死ぬ。だったら、現実に連れてきて説得した方が生き残る確率は上がる。


「あなた、寝る前に言ったことを覚えていますか?」

「ビーストt…」

「いえ、名前云々の方です。」

「え?」


あ、これ完全に忘れてるな。


「仰っていましたよね?『私に名前をつけて、話し相手になって』と。」

「言ったけど…言ったけど知り合いのいない世界なんか生きてて価値ないし…」


うーむ。ここは一つ、ラノベで読んだヒロインを落とした言葉から一つ、まあ、どうせ俺みたいなのが言っても落とせないだろうけど、元気付けるくらいならできるだろう。


「あなたを知る人がいなくても、俺がそばにいて、君を覚えています。だから、ここで立ち止まってないで、先に進みましょう。」


さあ、少しは元気出たかな?


「好き、一生ついていきます。」


⁉︎落ちちゃった…ま、まあ結果オーライってことで…


「それで、私に何ていう名前をつけるの?」


俺は、リリアーナが起きるまでずっと悩んでいた名前を言った。


「_『陽菜』と、そう呼ぶことにします。俺の国の言葉で『陽』は明るいものを、『菜』は花を表しています。」

「めっちゃ良いじゃん!早く《名付け》をして。」


意味は理解してるっぽいけど、この軽さ大丈夫なのか?まあ、いっか。


「神の見たまう今この場にて、汝の名を『陽菜』と改名することを宣言する!」

「はい。」


そうして俺たちの間を精霊が飛び回り名付けの成功を祝福する。


「では、これからはここに帰ってくる事はありませんので、別れの挨拶などがあればどうぞ。」

「そうだね。でもここにはあまり思い出はないからいいよ。で、聞いてなかったんだけど君の名前は?あと、もう敬語は使わないで。約束ね!」

「はい…いや、おう!俺は、七海裕也といいm…七海裕也だ。よろしくな、ヒナ。」

「よろしくね。ゆうや君。」


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