どうやら異世界に来てしまったらしい
お目汚し失礼いたします。
とある小説を書く際にお蔵入りになったほうを別の世界として書き直してるものです。
更新は不定期になると思いますがそれでもいいとおもってくれた方は拙いものですが、お楽しみいただければ幸いです
「うおおおおおお!!負けるかあああああ!!」
相手の剣が迫る。こちらは既に毒状態であり体力も残りわずか。
「よっしゃやっと隙見せたぁ!」
タイミングを合わせて剣を盾ではじく。敵のわずかな硬直。素早く攻撃のためのボタンを押しその間に素早く画面を開き指輪を付け替える。
「よっしゃあああ!!削り切ったあ!」
霧のように消滅する相手。だがしかし
「あああ!?毒で体力尽きた…」
わずかに遅れてこちらの体力もなくなり身体が霧散する。
「うーん… あ、判定はDrawか。まあ仕方ない。今日はもう対人やめておくか」
いま俺は『ソウルファンタジー』というゲームをしている。主人公は世界を冒険して仲間と助け合いながら古い神々すら倒し世界の神王として君臨するゲームだ。
「最近対人ばっかりだししばらくは救援メンバーとして活動するか?ちょっと精神的に休みたい」
まあ神王として君臨すると言っても君臨した段階でエンディングが流れて最初の町から再スタートになるわけだが
「たまにはPC版やるか」
このゲーム。据え置き機が基本だがPC版も出ている。ただしオンラインはしない。いやだって相手の世界に侵入したらチート使ってラスボスの複数召喚とかやってくるんだぞ?オフラインで楽しんでください。
「なんか新しいMOD出てないかな…お?すっげぇ。個人でステージ作ってる人いるじゃん。しかも空中庭園とかすげぇな」
かくいう俺もオフラインでならチートもMODも楽しんでいる。ボス相手にボスを召喚して楽しんだり逆にレベルが上がらないようなチートを使って縛りプレイをしたり外見変更のMODを使ってアニメキャラのコスプレでエンディングを迎えたり…作ってくれる方々には頭が上がらない。
「とりあえず導入しておくか。ちょっと時間かかりそうだし」
少し背を伸ばす。うっわめっちゃすごい音出た
「仮眠するか。30分ほど寝よう」
一人暮らしの35歳。休日くらいはゴロゴロしたい。一週間の疲れが一日で取れるわけないだろ!
そして眠りについた。
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風が顔に当たる。心地よさに覚醒しかけた意識を再びまどろみの中に…
「ん…?窓閉めたよな?」
気づけば大樹の根元に寝ていた。えぇ…
「寝るか」
心地よい風。木漏れ日の適度な暖かさ。ぐっすり熟睡できた。
「さて、どうしたものか」
遠くに見える山に太陽が半分ほど入っている。そして見知らぬ場所。誰だこんなとこで寝たやつは
「えー…これってあれか?あのパターンか??」
半信半疑ながらも「あの」言葉をつぶやく
「《ステータス・オープン》」
するとステータスが表示された。
「うっわマジかよ。えーっとしかもレベル710ってことはチートで増やした経験値そのままか」
【ソウル・ファンタジー】では各地にいるボスを倒せば素材とその魂が経験値とは別に手に入った。魂と様々な素材と組み合わせて新しい武器や魔法を作るのもよし。そのまま消費アイテムとして経験値にしてもよし。なのでチートを使って魂を量産してレベルを上げたままになっているんだろう。
「まさかとはおもうが…《チートツール》」
見慣れた画面が表示される。そこにはいままで使ったチートコードとMODがすべて網羅されていた。
「異世界!チート!!FOOOOOOOOO!!!!!!」
~しばらくお待ちください~
ヤバイ。完全に陽が沈んでしまった。誰だこんなになるまで放っておいたやつは
「拠点MODがあったはずだが…あれは家の外見を変えるんであって家を作るわけじゃないからなぁ」
とりあえず土魔法を使って壁を箱上に作る。家と認識してくれればMODが使えるはずだ。
「よし、大丈夫だな。簡単なつくりのコテージだがこんなところに豪邸建てても仕方がないし。」
ついでに周りに魔物除けのアイテムも撒いておく。99個あるしジャンジャン使おう。
「…外見変えるだけのMODのはずなんだがなぁ」
中に入ると内装もしっかりしていた。おお、水洗トイレじゃないか!しかも温水洗浄便座!いや水はどこから来てるんだ?
「ふむ、ガスも使えるな。冷蔵庫の中身は流石にないか。でも冷えてる」
まじでどうなってるんだ?いやありがたいけども。
「暗くなったしいろいろ確認するのは明日だな。もう寝たい…」
二階に上がると二段ベッドがあったので下のベッドに潜り込む。
(夢なら覚めないといいなぁ)
いまさら元の世界に戻りたいとはおもっていない。自国の文化は好きなんだが政治が糞だからな。テレビの放送みても数日で真逆のことを言ってる政治家ばかりで……
そんなことを思いながら意識は深く沈んでいった。
正直チートとMODの違いって結構曖昧なんでそこら辺突っ込まれるかもしれない…
え?どこかで見たことがあるソウルなゲームだって?気のせいですよHAHAHAHAHA。とりあえずYのポーズします