犬猿からトムジェリへ
『そういえば、いきなりどうしたんですか?僕たちに名前なんて』
んー?いやね、君とかお前って呼ぶとわかりにくくなるし俺的に“善”と“悪”って区別はしたくないんだよね。周りが悪い考えだと感じたとしても俺が選ぶのはその時の最善だから。
「さすがサマエル様その名に合った考えの持ち主だ。」
俺……はサマエルと呼ばれることになるのか。
『そりゃそうですよ!僕らとサマエル様こと博樹様は一心同体、想いの僕らに名前はないとはいえ“博樹”として考えそれぞれの想いを持ってきたのです。いわば僕らも博樹なのです。それに、案外気に入っておられるでしょう?』
ま、まあね。サマエルってかっこいいだろ?それにサマエルとサタンとルシファー、この組み合わせは神話でも最強だろ。一つお願いなんだが、敬語も敬称もいらない普通に接してくれ。
「わ、わかりまゴホンッ…わかった。」
さて、これからの話になるが俺はこの世界から脱出したい。そのためにはサタンとルシファー、お前達の協力が必要になるだろう。
「ま、待てよ!わざわざここから出ていくって言うのか?」
ああ。もっと話しをしたい子がいるからな。
『サマエルはあの少女…めぐみさんが大層お気に入りのようですが』
お気に入り…か。そうかもしれないな。あんなに話していて楽しかったのは初めてだから浮かれているのかもしれない。
「あの少女に執着する理由が我にはわからんがきさゴホンッ…ルシファーはわかるか?」
『僕もよくわからない。だけど、何となく気になるってことなんじゃないか?』
「なんとなく気になる………我にはよくわからん。」
『人間にもっと興味を持てばきっと何となくわかるようになるさ』
「何となく……意味がわからんが深く考えても理解出来ないのだろうな。それはそうとお前さん意外に優しいのだな」
『何を今更。まあ分かれば良い。』
仲良くなれた……のかな?
『「仲良くはない!!!」』
あははは……先は長くなりそうだ。