8.不屈の荒魂、大和魂
ソ連の赤軍特務部隊が北海道の地を踏んだ。米国総司令官がコーンパイプを咥えて降り立った。二大大国の使者たちは我が国の国土を踏みしめた。
彼らは傲岸不遜だった。自分たちこそ勝者であるとの奢りに耽っていた。とあるソ連の高官と米国総司令官が銀座の料亭で秘密会談を終え、その帰り道。名もなき禅師が近づいていった。
「祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり」
とあるソ連の将校と米国総司令官が五反田の料亭で秘密会談を終え、その帰り道。名もなき真言僧が近づいていった。
「沙羅双樹の花の色。盛者必衰の理を表す」
とあるソ連の党幹部と米国総司令官が上野の料亭で秘密会談を終え、その帰り道。名もなき念仏僧が近づいていった。
「驕れるものは久しからず。ただ春の夜の夢のごとし」
とあるソ連のチンピラと米国総司令官が浅草の見世物小屋で秘密会談を終え、その帰り道。名もなき法華僧が近づいていった。
「猛きものもついには滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ」
米国総司令官には日本語がわからぬ。しかしかの暴虐な僧どもを追い払わなければならぬと考えた。そこで今度は通訳を随伴し、とあるソ連の野良犬と松戸の闇屋で秘密会談を終え、その帰り道。名もなき小僧が近づいていった。
「Give me chocolate.」
あらゆる国家は滅びる。あらゆる生命が滅びるのと同様に。それが歴史家の一致した見解である。
あの……歴史の知識の引き出しが少なすぎて、頑張って書こうとしたんですけど、途中からおかしくなりました。すみませんでした。