↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/268

えりかは真実を知りました




 ___1時間前



「それはですね…………えりかさんがここに来るまでの経緯、そして……由莉さんの隠している秘密」



「わたし……が……?」



 阿久津さんが来たのはゆりちゃんが出ていってからすぐ後だった。そこで言われた事はゆりちゃんからも聞いたことのないことばかりだった。



「まず、由莉さんは……スナイパーをやっています」



「すな……いぱー?」



 最初は全くその意味が分からなかった。けど、阿久津さんに丁寧に教えて貰ったおかげで理解出来た。……正直、少しだけゆりちゃんの事が怖くなった。遠くから人を狙って殺す、そんな事をゆりちゃんがやってたんだと思うと……少しだけ……。



「ゆりちゃんは……もう……」



「…………はい。既に由莉さんは2人を狙撃しています」



「…………っ」



 分かってて聞いたつもりだったけど……やっぱり大好きなゆりちゃんの事がますます怖くなった。手がガクガクと震えて声も出しにくかった。



「そして……えりかさんを保護したのもその時でした」



「えっ…………?」



 そこでわたしはここで目が覚める前、どんな状況にいたのか初めて教えられた。わたしは、じんしんばいばい……?の人に捕まえられ売られる所だったみたい。売られたら……どちらにせよ、殺されてた。そう言われて、わたしは愕然としたよ。



「そして、その人身売買の引受人こそが……由莉さんが狙撃した人の1人です。もう1人は……えりかさんを買い取ろうとしていた人です」



「…………っ」



 わたしもここまで言われたらなんとなく分かったよ。



 ゆりちゃんがその人達をやってくれなかったら……わたしが死んじゃってたことを。



「……先に言うと、えりかさんを最初に見つけたのは由莉さんです。えりかさんが乗せられていた車と1回すれ違ったみたいで、その時、偶然か由莉さんはあなたの存在を分かっていたみたいです。そして……狙撃し終わって由莉さんが私の車に乗るなり、必死にこう言ったんです。『その子を放って逃げるなんて出来ないから助けたいんです』って」



「あ……あぁ…………っ」



 涙が溢れて止まらなかった。ゆりちゃんはわたしを助けようとしてくれたのに……なのに、わたしは少しだけゆりちゃんの事が怖くなっちゃった……どうしよう…………ゆりちゃんになんて謝ればいいんだろう……っ



「そして、えりかさんを発見して保護した時……正直、あと10分発見が遅れていれば……恐らくは…………熱中症を発症して……」



 その先は言われなくてもなんとなく分かった。わたしは……ずっと側にいた大好きなゆりちゃんに……





 こころだけじゃなくて命も助けられたんだ…………





「由莉さんのやっている事はえりかさんには受け入れ難いかもしれません。ですが、それでも……」



「大丈夫です。ゆりちゃんがわたしの命を助けてくれた。それだけで……っ」



 確かに…………ゆりちゃんが人を殺しているって聞いた時、びっくりしたし……怖かった。けど、今はもう怖くなんてない。

 それに……わたしはいつまでもずっとゆりちゃんの味方だって約束したんだから。助けてもらって……それなのに、怖がるなんて……出来ないよ…………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。